第94回関西学生サッカーリーグ1部が4月9日から11月13日にかけて行われ、阪南大が2年ぶり8回目のリーグ優勝を決めた。上位4チームに与えられる全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)の出場権は阪南大、関西学院大、大阪体育大、関西大が獲得。同志社大と大阪教育大は今年1部復帰を果たしたが、2部Aへ降格となった。得点王は17得点を挙げたFW出岡(関学・4年)、アシスト王は14アシストを記録したFW山口(阪南大・3年)が受賞した。
 15勝4敗3分の勝ち点48でリーグ戦を終えた阪南大は、1年を通して安定した強さを誇った。開幕戦で同志社に敗れた後は6連勝の快進撃、前期を首位で折り返す。後期に入っても勢いは衰えず、一度も首位の座を明け渡すことなく、2節を残して栄冠を勝ち取った。
 特に際立ったのは、リーグ最多の60得点を奪った屈指の攻撃陣だ。FW草野(2年)がチームトップの14得点を挙げ、甲斐(4年)がDFながら7得点を奪うなど、多彩な得点パターンを披露。アシスト王に輝いたFW山口やMF脇坂(3年)など、昨年からの主力選手が抜群の連携を見せ、優勝へと突き進んだ。
 しかし最終節で関学に1―4で敗れるなど、優勝を決めてからの2試合で失点は計7点に。須佐監督は「失点の形が悪い。相手が盛り返してきたときに、押し返せないと駄目」とインカレに向け課題を語る。抜群の得点力に堅い守備がかみ合えば、初のインカレ制覇も夢ではない。トーナメントで致命傷になりかねない大量失点を防ぐべく、守備の再建が急務だ。

◎関学 後期失速、リーグ連覇逃す
 関学は関西選手権に続き、リーグ戦の優勝も逃した。前期は、阪南大と勝ち点差1で逆転優勝を狙える位置につけたが、後期は5勝2敗4分と停滞。下位相手に勝ち点を取りこぼし、首位に水をあけられた。
 「まだまだ90分間走り抜けないチーム」。成山監督が嘆くように、今年は先制するも追加点を奪えず終盤に同点、あるいは逆転を許す展開が多かった。チャンスは作るものの、ゴール前で精彩を欠き、昨年見せた勝負強さは鳴りを潜めた。
 今冬のインカレは連覇が懸かる大会。成山監督は「一戦一戦腹をくくり、気合を入れて臨みたい」と意気込む。最終節で阪南大に快勝し、チーム状況は上向き。トーナメントを勝ち抜くための決定力と接戦をものにする勝負強さが、連覇への鍵となる。