関西学生野球秋季リーグ戦第8節、同志社大-立命館大の3回戦が、10月23日わかさスタジアム京都で行われた。平尾奎、東の両先発投手が好投を続け、スコアボードに0を並べる。延長10回、同志社は先頭の5番白水の安打を皮切りに一死三塁の好機をつくると、打席には7番西田悠。カウント2ー2から3バントスクイズを仕掛けるも、転がった打球を捕手に処理されて三塁走者が憤死し、この試合最大の好機を逃す。対して流れをつかんだ立命は、9回途中から登板した同志社の2番手福島を攻め立てる。先頭の代打谷口が敵失で出塁。その後、盗塁と代打大谷の内野ゴロから一死三塁とサヨナラの好機をつくる。打席にはここまで4打席無安打の1番早田。2球目の変化球を右翼線へすくい上げ、サヨナラの犠飛となった。東は10回を投げて被安打4、9奪三振完封でリーグトップタイの5勝目。壮絶な投手戦を制した立命が9勝4敗の勝ち点4となり、首位の関西大と勝率で並んだ。優勝の行方はプレーオフに持ち越された。同志社は7勝4敗勝ち点3の3位でリーグ戦を終えた。

同志社 000 000 000 0=0
立命 000 000 000 1×=1

【同志社】平尾奎、●福島-山岸
【立命】○東-栃尾、佐野
三塁打:栃尾(立命)
二塁打:小田(立命)

【試合後のコメント】
▽立命館大・後藤昇監督
「東はもっと早く変えようと思っていたけど、調子が良かったので欲を出して引っ張った。立ち上がりはボールのキレが良くなかったが、7回のチャンスで凡退したあたりから、ギアがあがった。熱くなって投げている姿を、リーグ戦では初めて見せてくれた。収穫です。明日勝たないと意味がない。ここまできたら、4連覇へ向け決着を付けてくれるだろう」

▽立命館大・東克樹投手
「今日はおかしいくらいに身体の調子が良かった。流れを向こうに持っていくことなく抑えられた。同じ相手に2回負けるわけにはいかない。春から通して、一番いいピッチング。強打の同志社打線を4安打に抑えられるピッチングができるようになったと自信につながった。昨日の夜に『自信があるので任せて下さい』と言われた。自信をもってリードしてくれた栃尾に感謝です。投げろと言われたら明日も全力で投げる」

▽立命館大・早田宏規選手
「落ち着いて打席に入った。打ったのはスライダー。何という言葉か覚えていないが、特に4回生のベンチからの声が聞こえてきて気持ちが伝わった。スタンドの声も不思議と耳に入った。関大とのプレーオフだが、普段通り、肩の力を抜いていくだけ。いつも通り立命の野球をやれば必ず勝てる。みんなの『まだ優勝を落としたわけじゃない』という前向きな気持ちが2連勝につながった。4回生の『まだいける』という声が背中を押してくれる」

▽同志社大・澁谷卓弥監督
「平尾奎はよく投げてくれた。立命の東くんはコーナーをついてきていて、あまりチャンスがなかった。(10回スクイズ失敗の場面について)西田はバントが上手。確率的にスクイズを選択した。ボールがもうひと転がりしてくれればセーフだった。全員やるべきことはやってくれた。特にピッチャー。この3戦で4点しか取られていない。よく頑張ってくれた。チームは去年よりも強くなっていて、個々の能力も上がっている。去年がホップの年で、今年はステップ。春も秋もチャンスはあったが、優勝できなかったのは私の責任。最後の場面は微妙な判定もあったが、それも野球。全てを受け止めてやらないといけない」

▽同志社大・平尾奎太投手
「『負けたら最後。絶対点を取られない』という強い意志があった。応援されていることに感謝しながら、ピンチを乗り切ることができた。『最後はお前に託すぞ』とみんなに言われて勝とうと思っていたが、向こうの東投手の方が上だった。学生野球が自分を強くしてくれた。チームの強さが自分に伝わって、いつも以上の力が出せた。今日も自然と声が出て、『気合い入ってるな』と自分で気付いた。気合いが空回りすることもなく、バッターに立ち向かえた。ベストなピッチングができたと思う」