電車やキャンパス内、街中をふと見渡すと目にする大学の広告。各大学は工夫を凝らした広告で受験生や在学生にアピールを行っている。中には学生をあおるようなキャッチコピーや萌えキャラを起用した広告もあるが、在学生にはどう映っているのか。  

□「情報源」や「ビジネスの一環」 学生の見方はさまざま
 UNN関西学生報道連盟では8月9日から9月11日まで、関西の大学に通う学生105人に大学の広告についてのアンケートをウェブ上で行った。
 「『大学広告』で思い浮かぶものは何か」という質問には、「車内広告」が61・9%となった。以下、「学内広告」が14・3%、「ネット広告」が8・6%、「紙面広告」が7・6%、「テレビ・ラジオ広告」は6・7%だった。「あなたが普段一番目にする『大学の広告』は何か」との問いにも、「車内広告」が74・3%とトップだった。
 続いて、「広告を見たり聞いたりしてあなたはどう思うか」(自由記述)の質問では、「大学の雰囲気や特色が分かり、見ていて楽しい」、「学校によって内容やインパクトが違うので面白い」といった肯定的に受け止める意見もあった。一方、、「奇をてらった広告が多いように感じる。イメージが悪くなる要因の一つではないか」、「大学=ビジネスといったイメージを強く感じる」など、否定的な意見も一定数見られた。
 「大学入試を受ける際に大学広告は影響したか」では、84・8%が「いいえ」、15・2%が「はい」と回答した。「入学以前に現在自分が通う大学の広告やキャラクターを知っていたか」では「はい」が27・6%だった。また「好きな広告やキャラクターがある」学生の票は近畿大に集まり、「近大マグロ」を用いた広告などが挙がった。

□各大学異なるスタンス
 大学側は広告を打つ際、どのようなことを心がけるのか。大学に話を聞いた。
 「手法で心掛けていること」では、龍谷大は「『本学らしさが伝わっているか』など、大学としての統一感を重視している」、近畿大は「(広告が)話題となって会員制交流サイト(SNS)などで拡散されたり、メディアで取り上げられたりすること」と、各大学によって重視する点は異なる。広告の内容について聞くと、近畿大は「一目で近畿大と分かるもの、近畿大にしか作れないもの」と答えた。
 広告効果については、回答した大学全てが「すごくある」、「ややある」としたが、「広告はあくまで補完的な位置付けであり、基本はパブリシティー(PR活動)が中心だと考えている」と答える大学もあった。

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