大学4年生になると多くの人が就職活動を迎える。しかし、体育会に所属していると就活と練習やリーグ戦の日程がかぶり、他の学生に比べて遅れが生じることもある。そんな中、阪神大学野球連盟は連盟主体で就職説明会を開くなど、部員をサポートする体制を取っている。      

▼部活と就活
 大学野球のリーグ戦の多くは4月から始まる。経団連は12日に、17年度の就活スケジュールを16年度同様「3月説明会解禁、6月内定解禁」と発表していて、企業の合同説明会やセミナーの開催時期と重なることもある。5月まで行われることが多いリーグ戦は部員への影響が大きい。

 仮に試合と就活が重なった時は「各自の判断に任せている」(関西学生野球連盟)場合が多いという。「練習や試合への優先意識が強く『就活』を考えるのが遅い傾向にある」(阪神大学野球連盟)とも。

 6月5日に企業を招いて説明会を開いた阪神大学野球連盟。すでに17年度卒業生の内定が解禁になっていたこともあり、参加者の多くが3年生だった。説明会では、元プロ野球選手らがセカンドキャリアについての話をした。参加した企業のPRやブース説明会も行われ、部員からは「仕事のことを考える良いきっかけになった」と評判は上々だ。

▼「部員と企業つなぎたい」
 来年2月5日には、現在の3年生を対象とした説明会が予定されている。今年は6月に行われた説明会の反省を生かし、次回の説明会は就活が本格化する前に開催する考えだ。

 「野球を通じて、部員には『組織のために』という責任感が育っている。自身の良さを気付かせてあげるのも私たちの仕事ではないか」と語るのは、阪神大学野球連盟の岡泰秀氏。「今後も部員と企業をつなぎ合わせていくことができたら」と熱を込めた。