大学の授業をほったらかして、真っ昼間から雀荘で「リーチ」「ツモ」。数十年前には普通だったこんな風景も、今では見かけることが少なくなってきた。そんな時代に麻雀の面白さを再認識してもらおうと、7月2日から8月6日にかけて「マージャンの魅力展」が大阪商業大で開催されている。「遊び」や「趣味」といった人間の生活に欠かせないものを研究するアミューズメント産業研究所が主催した。

 麻雀に関する資料や写真の展示会がアミューズメント産業研究所3階で開かれている。その他、麻雀界で活躍するプロ雀士や漫画家を呼び、展示期間の各週土曜日キャンパス内にて講座の場を設けている。23日の講座では、「東大式」という戦法や「健康麻雀」で名高いプロ雀士の井出洋介氏が講師を務めた。麻雀の発祥や自身と麻雀との関わりの話から始まり、麻雀を取り巻いてきた悪いイメージを払拭する抱負を述べて講座を結んだ。東大生時代から大会に出場するほどの麻雀好きだった井出氏は、今の学生達に対して「麻雀を通して協調性やフェアプレーの精神といったものを身に付けてほしい」と語り、大学で再び麻雀のブームに火が付くことに期待を込めた。

 アミューズメント産業研究所では、今回のような「遊び」に関する展示会を例年企画している。研究員の高橋浩徳さんは、今の若い人にスマートフォンのアプリで遊ぶだけでなく、麻雀や将棋といった古くからあるゲームにも目を向けてほしいと願う。「大昔から人間は余暇を遊んで過ごした。最近は一人だけで遊ぶゲームが多いなか、麻雀のような人間同士の繋がりを大切にする遊びを通して、良い社会が生まれてくるのではないか」と、熱を込めて話した。

 「マージャンの魅力展」では、展示会場と各講座は無料公開されている。講義を受講する際には電話などでの事前申し込みが必要。

◇展示会概要

「マージャンの魅力展」
期間:7月2日から8月6日まで
場所:大阪商業大アミューズメント産業研究所U-BOX3階

◇今後の講座予定

7月30日 松岡博文氏
「麻雀大好き社長のずーっと麻雀」

8月6日 高橋浩徳氏
「世界のゲームカードの歴史−マージャンもトランプも花札もつながっている−」

vol.314

懐かしい麻雀のおもちゃや、麻雀を題材にした有名漫画が並ぶ展示会(撮影=嶋田敬史)
懐かしい麻雀のおもちゃや、麻雀を題材にした有名漫画が並ぶ展示会(撮影=嶋田敬史)
井出氏による講座「麻雀の現状と今後の展望」(提供=アミューズメント産業研究所)
井出氏による講座「麻雀の現状と今後の展望」(提供=アミューズメント産業研究所)