VOL.308 珍事!ウジルカンダ 摂南大で初開花
摂南大枚方キャンパスにある薬学部付属薬用植物園で5月中旬頃ウジルカンダの花が開花。花が咲いたのは30年前沖縄県から薬草園に種子を持ち込んで以来初めてのことだ。
ウジルカンダは日本では主に沖縄県に生息しているマメ科の大型常緑つる植物。沖縄県で果実ができるのは、オオコウモリによって受粉させるのが一般的。自生地以外での開花は極めて珍しい。
沖縄からウジルカンダを持ち込んだ理由を「大阪で育つかどうかを知りたかった。そして生態を観察したかったから」と話すのは薬草園で助手を務める邑田(むらた)裕子さん。沖縄から種子を10個ほど持ち帰り、翌年発芽に成功したという。ところがつるは成長しても、一向に花が咲かなかった。
初めて薬草園で開花を見た時は「ついに咲いたんだと本当にびっくりした。」と邑田さんは振り返る。一部分が緑色の花で、約2週間開花していたという。開花の理由は判明していないため、来年開花するかは不明。また種子を作っていないため、植物としてはまだ「一人前」とは言えないそうだ。
5月26日・27日の一般公開では、邑田さんの予想より多くの来場者が見られた。植物愛好家からは「非常に珍しい」と驚きの声が上がったという。
ウジルカンダが結実するには花に圧力が必要なのか、ひとりでに裂開結実するのかは不明。今後は花が受粉するタイミングや開花の条件について研究を進める。邑田さんは「植物は分からないことが多いが、そこが面白くて楽しい。」と笑顔で語った。 (聞き手=笹川真悠子)
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