毎日使う、大学のトイレ。施設がきれいなイメージのある女子大だが、ことトイレとなるとどのような様子なのだろうか。京都・大阪・奈良・兵庫の四つの女子大を調査した。

 

◎京都女子大

京都女子大ではトイレの整備が進んでいる。最新では、2014年度から15年度にかけて、音楽棟と図工棟のトイレが改修された。今年春に生まれ変わった図工棟地階のトイレは左右の入り口ともに女子トイレのマークが掲げられている。五つの個室と三つの洗面台があり、二つ入り口があるものの規模は大きくはない。内装は花柄の仕切りやピンク色の個室扉で明るくかわいらしい印象だ。
京女大の施設整備を進める担当者は「女子学生はトイレの使いやすさやきれいさを重要視しているように思うので、力を入れている」と話し、今後も古くなったトイレから順に改修を進めていく予定だという。

 

◎梅花女子大

梅花女子大では、毎年1カ所ずつトイレを改修しているという。2012年に改装されたのは、山草館A棟の中2階のトイレだ。TOTOの資料によると、元々「暗い」「臭い」「和式便器でブースが狭く使いにくい」などの問題点を抱えていた同トイレを全て洋式化し、化粧を直すためのパウダーコーナーも新設。余裕のある間取りとなり、空間を広々と使えるようになった。
実際に入ってみると、まず甘い香りとやわらかな照明が訪れた者を包み込む。壁も明るく清潔で、トイレとは思えない居心地の良い空間だ。コンセントやエアコンも完備している。
一方で学内には、依然として改修されないままの古いトイレも見受けられた。

 

◎奈良女子大

国立の奈良女子大では、トイレの設備は充実していて、清潔さが感じられた。
文学系S棟1階には洗練された印象の洗面台が目立つ。水色のタイル張りの壁に鏡が取り付けられ、洗面ボウルとカウンターは白で統一されている。手をかざすと自動で水が出る仕組みだ。近くの女子トイレに入ると、六つの洋式便器と一つの和式便器が並ぶ。大きな窓からは陽光が差し込み、明るい印象だ。2階にも2カ所にトイレが設置されていて、休み時間にトイレが混雑することはほとんどないという。
理学部G棟のトイレは和式便器が五つ並ぶのみだが、窓にはステンドグラスのような装飾が見られる。洗面ボウルもピンク色で、女子大らしさがうかがえた。

 

◎神戸女学院大

昨年の夏頃から、神戸女学院大ではさまざまな場所のトイレが改装されている。利用者の多いトイレには和式もあるが、最近改装されたところはほぼ洋式。車椅子に対応した広いトイレも増えている。
一目で改装されたと分かるトイレがほとんどだが、例外もある。理学館1階にあるトイレだ。教室と間違えてしまいそうな茶色の扉を開けると、真っ白で明るい空間が広がる。扉以外が改装され、以前はタイル造りで冷たい内装だったが、温かみのある雰囲気に。七つの個室に、可愛らしい丸い鏡の洗面台。全ての個室が和式から洋式に変わった。

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