vol.302 近大マグロ「リップスクラブ」 コラーゲンでぷるぷる唇
寿司や刺身でお馴染みのマグロ。最近では菓子類やラーメンのだしなどさまざまな姿に加工されているが、美容商品へ加工されるとは誰が考えただろうか。
近畿大学とUHA味覚糖株式会社が共同で「美はお口から研究所」を設立し、近大マグロを使った美容商品を開発した。一つは、唇の保湿などに使われる「リップスクラブ」、もう一つはコラーゲンやビタミンCなどを含んだ「グミサプリ」だ。どちらの商品にも近大マグロから抽出されたフルレングスコラーゲンが含まれている。フルレングスコラーゲンとは、マグロ一尾から約100グラムしか取ることができない希少な成分。一般的なコラーゲンよりも保湿力に優れている点が特徴だ。
共同研究のきっかけは、美容分野への進出を模索していたUHA味覚糖の呼びかけ。企業ではなく大学だからこそ可能になる商品開発を目指している。そこで、今回は商品の開発から販売までの過程ほぼ全てを近大が行うことになった。参加したのは薬学部と文芸学部、経営学部の学生。各学部が専門分野を生かし、それぞれ商品開発に関わった。
薬学部ではスッポンからコラーゲンを抽出する技術を応用させ、近大マグロからコラーゲンを抽出。文芸学部は商品のパッケージのデザインを制作し、経営学部は大阪の難波で販売イベントを行った。近大が理系と文系の枠を越え、学生が中心となり商品開発までの事業を進めたのは初の試みとなった。
今回の共同研究を通して、新しい産官学連携を成功させた近大とUHA味覚糖。次の商品開発は未定だ。今後、どんな発想で商品が生み出されるのだろうか。(聞き手=馬場達也)
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