JR京都駅から鉄道博物館がオープンする予定の梅小路公園までのエリアに、にぎわいを作り上げる「京都・梅小路みんながつながるプロジェクト」。そこに設置されるモニュメントデザインの優秀作品の内、5点に八杉和興(やすぎ・かずおき)さんのデザインが選ばれた。

八杉さんは京都市立芸術大学院2年生で環境デザインを専攻しており、観光に向けて何かデザインをしたいという思いから応募を決めた。デザインを考えるにあたって、子供から大人までが一目見てすぐにわかるように汽車の特徴を捉えることを一番重要視したという。そして実物をデフォルメしたものになるため、見たときに違和感が無いように全体の比率に注意を払って描いた。また統一した作品を作りたいという思いからデザインは鉄道だけに絞り込んだ。その中でも義経号は正面に「1」の文字が組み込まれており当選ナンバーも1なので偶然ではあるがおもしろい作品になったと話した。

 制作期間は約2カ月。映像や実物を見てスケッチし、3Dプリンターにデータとして入れ込む。作品が出来上がるまでの間、3Dプリンターの機械音がうるさく眠れないときもあったが、自分の描いたデザインが実際にモニュメントとなって出来上がると達成感を感じた。また、モニュメントを見てくれた人から声をかけてもらい反響がたくさんあってうれしかったという。

 これらの作品は京都鉄道博物館の開業に合わせてJR京都駅から梅小路公園までのルート上にブロンズ像となって設置されている。八杉さんは自分の作品が観光客の思い出となったり、駅の待ち合わせ場所になってくれたらうれしいと笑顔で語る。(聞き手=谷村将生)

 vol.301