搬入する、その行為自体が持つ魅力に迫る――。ある空間に入らなさそうでギリギリ入る物体を設計・製作し搬入するパフォーマンス作品「搬入プロジェクト」が、3月5日、ロームシアター京都(左京区)で実演された。ロームシアター京都前の広場「ローム・スクエア」から搬入を開始し、館内3階から2階共通ロビーを経て再びローム・スクエアに搬出。成功を収めた。

 日本を中心にソウル、ロッテルダムなど世界各地で2008年から公演され、今回で20回目を迎える同プロジェクト。17の大学から延べ35人の学生が、四つの班に分かれ活動した。設計・計画班に所属し、搬入する物体をデザインした髙島由妃さん(同志社女子大・1年)は、作業を振り返り「物体の案を考えるのは楽しかったが、自分の設計ながら実際に製作するとここまで大変だとは思わなかった」と語った。また、展示・記録班として主に活動した中西晶子さん(京都造形芸術大・3年)は「物体にもカメラを取り付けるなどさまざまな角度から撮影した。物体や指示を出す人視点の視点からの映像などをぜひ見てほしい」と熱を込め

 搬入された物体はローム・スクエアで、実演の様子を収めた映像はロームシアター京都内の2階共通ロビーで共に27日まで公開される。