8勝4敗。昨秋の関西大は4大学から勝ち点を奪ったものの、リーグ優勝した立命館大からは1勝も挙げることができず2位に終わった。12試合中9試合が3点差以内で接戦を戦い抜いた。早瀬監督は「今年は実績の無い選手が多い中、不安もあるが、逆に楽しみの方が大きい」と語る。

昨秋は得点力不足が課題となった攻撃面。打率.303を記録し、ベストナインを獲得した外野手の杉森(4年)、身長183㌢体重83㌔の体格から強烈なスイングをする小池(4年)が今年の打撃陣の中心となる。早瀬監督も「昨年も一昨年も左打者が多かった。右打者にはやってもらわんといけない」と期待を込める。2番セカンドとして全試合にフル出場した多田(2年)はリードオフマンとしてチームを牽引する。

 2014年の春季リーグで2本の本塁打を放ったショートの永岡(4年)は昨年、春秋ともに打撃不振に陥った。早瀬監督は「奮起してもらわないと優勝はない」と永岡の復活を待つ。対して2年の古川が守備で安定感を見せはじめ、ショートのレギュラー争いは激化している。 正捕手の座をめぐり、久米(3年)と高橋祐(2年)が熾烈(しれつ)な争いを繰り広げる。外野手では主将の松山(4年)と副主将の安井(4年)、杉森(4年)に加え、中島(3年)、杉本(3年)の2人も力を付け始めた。どのポジションもレギュラーは白紙状態だ。

 昨年までチームの絶対的エースとして君臨してきた石田光が卒業し、今季は投手陣の奮闘がチーム躍進の鍵を握る。昨秋、2試合で完投勝利を挙げた阪本大(3年)がエース候補に名乗りを挙げている。阪本大は「石田さんは神様みたいな存在だった。ここぞという時にあの人がいた。今年は自分がやらないといけない。どこにも負けたくない」と熱く語る。吉川(4年)、水師(4年)、濱田(2年)らも石田光の抜けた穴を埋めるべく奮起する。

 松山主将は新チームについて「チームの雰囲気はいい。壁にぶつかってもこの雰囲気なら乗り越えられる」と語る。3季ぶりのリーグ優勝へ。関大野球部の新たな1ページが始まる。