「最高のシーズン。まさに予定通りだった。キャプテン中心にチームがまとまっていた」。後藤監督は就任1年目を振り返る。立命館大は圧倒的な強さで関西学生野球リーグ2連覇を達成した。関西地区代表として7年ぶりの出場を決めた明治神宮野球大会でも、関東の強豪を相手に互角の戦いを繰り広げ、関西だけでなく全国にも立命の強さを見せつけた。

 昨年は桜井、西川大の2大エースが試合をつくり、昨春首位打者の古川を筆頭とした強力打線が得点する、投打にバランスの取れたチームだった。しかし今シーズンは主戦の4年生が引退。一からのチーム作りとなる。「4年生が抜けて戦力はガタガタ。今後どうなるか分からない」と監督は話す。

 実戦経験の少ない選手が多いため、ことしは「総力戦」だ。飛び抜けた選手はいないが、選手層の厚さは昨年に引けをとらない。全員がリーグ戦で戦える力を付けて臨む覚悟だ。 投手陣は3年生の東、渡辺を中心に、2年生では秋季新人戦で好投した岡本、佐治、黒田と粒ぞろい。「投手陣は昨年と同じくらいやってくれる」と監督も手応えを感じている。

 打撃陣は昨春開幕4番を務めた高島、俊足巧打の池内、勝負強さが持ち味の辰己が顔を並べる。しかし野手の大半は実戦未経験。オーダーも未定のため、競争は必至となりそうだ。シーズンを戦い抜く上で投打の軸の台頭が欠かせない。監督は「プレーで引っ張る選手が出てくれば、チームはいっそう力強さを増す」と意気込む。

 シーズンオフは明治神宮野球大会で課題が残った長打にこだわり、打撃練習を行った。監督は通常よりも重いバットを導入し、選手たちに振り込ませた。「打力を上げないと、レベルの高い関東の投手から得点できない」とリーグにとどまらず、全国を見据えたチーム作りを展開する。

 立命が目指すのは日本一。昨年4年生が果たせなかった偉業を、ことしはチーム一丸となって成し遂げる。監督は「高島、池内あたりの最上級生が頑張ってくれれば」と新4年生の奮起を願う。主将の高島は「選手たちが意識して練習できている。みんなで一番上まで行きたい」と気合を見せた。昨年とは一味違った立命野球が、新たなシーズンに向かって躍動する。