【1月号掲載・アメフト】立命惜敗 雪辱誓う
学生王者と社会人王者が日本一をかけて戦う、第69回ライスボウルが3日、東京ドームで開催された。7年前と同じ、立命館大とパナソニックのカードとなった今回の試合。勝利を目指した立命だったが、19―22で惜敗した。
「完敗です」。試合後、米倉監督は悔しげに語る。主将の田辺をはじめ、選手たちも涙をにじませた。
12点差に広げられた第3Q、RB西村がチーム初のTDを奪う。試合終了まで5分を切った第4Qには、QB西山からWR猪熊への54ヤードを記録するTDパスで19―15と逆転に成功。だが、ここで集中力を切らさないのが社会人王者。直後にTDを奪われ、再びリードを許した。立命は残り時間1分を切っても、細かいパスをつなぎエンドゾーンに迫る。試合終了まで残り時間7秒の場面。49ヤードのFGを狙うが、ボールは無情にもゴールポストの横を通過した。最後のキッカーとなった栃尾は「負けたのは僕の責任」と涙を見せたが、監督は決して選手を責めることはなかった。
随所にオンサイドキックなどスペシャルプレーを織り交ぜ、攻撃の幅を利かせた。「前半は相手の気を散らし、後半にベースプレーで得点しようと決めた。その間ディフェンスが頑張ってくれた」と監督は話す。
相手のミスにつけ込むことはできた。3点リードされた第4Qには立命のキックオフのボールを、DB奥野喬が一気に駆け上がってリカバー。攻撃権を奪い、流れは立命に傾いたかのように思えた。
だが、パナソニックの堅い守備陣を前に得点には結びつけられない。「後半になって足が止まっていた」と監督は振り返った。後半のベースプレーで得点を重ねるも、勝利にはあと一歩及ばず。甲子園ボウルでは最優秀選手に選ばれたRB西村七も、相手ディフェンスからの厳しいマークにあい、思うように走ることができなかった。
「後輩たちには今日の悔しい思いを胸に、一年間がんばってほしい」。引退試合となった主将の田辺は、後輩たちに来年のリベンジを託した。監督は「選手たちは、来年日本一を目指すと意気込んでいるが今の時点では厳しい」と話した上で、「4年生が残してくれた意志や努力をしっかりと受け継いで、また一から足元を固めていきたい」と気を引き締めた。4年生の信念を引き継ぎ、後輩たちがリベンジに燃える。
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