「カステヰラ」復刻 武庫女院生がデザイン
【写真】復刻したカステラと携わった大学院生ら(撮影者=山中秀祐)
皇族や政財界人、軍人などの社交場としてにぎわった甲子園ホテル(現甲子園会館)で戦前に提供されていたカステラを、武庫川女子大の大学院生と同ホテル元製菓長の孫が共同で復刻・商品化した。昨年11月から販売を始めている。
カステラには卵・砂糖・はちみつ・薄力粉・日本酒・ザラメ糖を用い、当時とほぼ同じ材料や配合で味を再現。ほんのりと香る日本酒の風味が特徴だ。同ホテル製菓長の孫でパティシエの林田伸生さんが、祖父の遺品からレシピを発見。大学側に話を持ちかけ復刻版カステラが実現した。
包装紙や焼き印は、同ホテルが開業当初に送っていた年賀状を参考に、同大院で建築学を学ぶ院生3人がデザイン。甲子園会館の各所に見られる打ち出の小づちの装飾をあしらい、「カステヰラ」「KOSHIEN HOTEL」「ムコガワ女子大学」の文字を刻む。
デザインに携わった田中佑奈さん(武庫川女子大・修士課程)は「包装紙のデザインは、アイデアをいくつも出し合って試行錯誤を繰り返した」と振り返る。
同ホテルは1930年に開業した。65年に武庫川学院が大蔵省(現財務省)から譲り受け、教育施設として活用。国の登録有形文化財で、現在は建築学科の学舎として使用している。
「[復刻版]甲子園ホテル カステヰラ」は1個700円(税込み)。先行販売先分は販売初日に売り切れてしまったため、予約にて販売を受け付ける。問い合わせは同館庶務課(0798・67・0079)まで。
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