【写真】ブース出展しレシピを紹介する防災女子メンバー(写真提供=防災女子)

●ぼうさい委員会 災害時に活躍へ

 神戸市と神戸新聞社などが防災の啓発を目的として14年8月から取り組む「117KOBEぼうさいマスタープロジェクト」には、兵庫県内の15大学・高専からおよそ75人の学生が参加している。市民に災害への備えを呼び掛けている。

 同プロジェクトでは、市民に救急救命講座や検定などを通して防災に関する知識を持ってもらい「ぼうさいマスター」として認定している。学生らは「ぼうさい委員会」を組織し、若い世代へ「ぼうさいマスター」の取得を促す。南海トラフ地震などの災害が今後発生したときに、現場で活躍する若者を増やしたいとの意図がある。

 15年には神戸市内各地で4回、ワークショップを開催。 地震で割れたガラスを踏み抜かないためのスリッパを新聞紙で作るなど、身近な物で簡単に防災グッズを作る方法を紹介した。14日に市が行うシェイクアウト訓練の広報活動にも協力。地震発生を仮定し、身を隠して頭を守るという訓練の内容を説明するCMを作った。CMは三宮の商業施設「ミント神戸」前の街頭テレビで放映された。

●防災女子 「女子力」で企画

 「女子力」を生かして防災に取り組もうと14年6月から神戸学院大学の防災啓発チーム「防災女子」が活動している。

 リーダーの高岸明以さん(神戸学院大・4年)が「女子力で防災に取り組もう」をテーマに、神戸市危機管理センターが主催する13年度の「『暮らしの備え』アイデアコンテスト」へ応募し最優秀賞を受賞。高岸さんがアイデアを実現しようとメンバーを募集し、結成した。メンバーは東日本大震災に関連する影響を受けて災害に関心を持った人がほとんどだ。

 依頼を受けてのブース出展が活動の中心。専用の袋を用いた簡単な炊飯方法を実演する。「女子力」によるアレンジとして、わかめスープの素やバター、しょうゆを加えた混ぜご飯のメニューなども紹介している。

 高岸さんは「災害時持ち出し袋を用意している人たちがとても少ない。若者のほとんどは防災に関して興味を持っていない」と話す。

 今後の活動として避難訓練に参加する大学生が少ないため、避難訓練に積極的に参加してもらえるような工夫を考えている。他にも口紅と笛を一体化させるアイデアも企画している。

 また「おいしい常備食フェア」で常備食を使った弁当の販売を、大丸梅田店とのコラボレーションで行う。期間は1月13日から26日までを予定している。