神戸松蔭女子学院大学の学生と教職員が、ジョルジュ・バルビエ(*1)の版画集のイラストを用いたカレンダーを作った。カレンダーは2000部制作され、学内や大学関係者に配布される。

  カレンダーを制作したのは、松蔭GP(Good practice)(*2)に参加する学生ら8人と、教職員ら9人だ。「神戸松蔭の魅力をカレンダー及びクリアファイルなどで伝えるプロジェクト」の一環で、神戸松蔭女子学大の写真を用いたクリアファイルも制作した。

 カレンダーのイラストには、1924年に発行されたジョルジュ・バルビエの版画集「ボヌール・デュ・ジュール・ウ・レ・グラース・ア・ラ・モード」を使った。同版画集は神戸松蔭女子学大が購入し、世界でも約13館の美術館や図書館しか所持していない希少なもの。16枚ある版画の中から、学生らがカレンダーの季節や月に合う図柄を7枚選んだ。版画の色合いや紙質を再現するために、何度も印刷会社と相談し、調整を繰り返したという。「版画のイメージに合う文字や字体などを試行錯誤したりした。また、解説担当の学生はいろいろ資料をあたったり、大変だったと聞いている」とプロジェクトを振り返る学生リーダーの秋田真裕子さん。「本学の四季のクリアファイル共々、大学の素晴らしさを伝えることができてよかった。また、新聞紙上にも掲載され、その反響の大きさに驚いた」と語る。

 完成したカレンダーは、学生が神戸市内の新聞社を回りアピール。朝日・産経・読売・神戸の4社が記事として取り上げた。読者プレゼントとして、送料のみで150部配布することを告知すると、800通以上の応募があり、急きょ、学内配布用のカレンダーをプレゼントに使った。送料以上の切手や現金、商品券なども同封され、余剰分は灘区福祉協議会に寄付したという。

 企画課の緋田吉也さんは「今のファッションに通じるようなセンスがあり、100年以上前の作品とは思えないくらいモダン。ジャポニズムとフランスのファッションがうまく融合している」と版画の魅力を語った。

(*1)ジョルジュ・バルビエ(1882年10月10日 – 1932年) – フラン スのイラストレーター。20世紀を代表するイラストレーターの一人。

(*2)松蔭GP – 2008年から開始された、学生および教職員が発案した企画に対して教育後援会(保護者組織)がサポートするプロジェクト。毎年学生らによってさまざまな企画が立てられている。

(聞き手=沢田智子)

vol286

image

image