学生の飲酒事故 大学の対策は
昨年12月、京都府立大の学内で飲酒していた19歳の女子学生が、急性アルコール中毒で死亡したことを同大が発表した。事故を受け、学生の飲酒に対する各大学の取り組みを探った。
女子学生は学内の部室で10人ほどの学生らと飲酒していた。途中意識を失っていたことに一緒にいた学生が気付き、救急搬送されたが、搬送先の病院で死亡したという。事故発覚後、京都府立大では大学が認めた場合を除き、学内での飲酒を全面的に禁止することを決定。学生を対象に、事故を踏まえての研修会も実施した。同大の築山崇学長は「今後、学内における飲酒の規制・点検の強化等を進める」としている。
関西大では近年、飲酒後の学生の騒ぐ、たむろするなどの迷惑行為に対する近隣住民からの苦情が増えているという。関大周辺の居酒屋での飲酒後の迷惑行為とみて、同大の教職員らが対策に取り組んでいる。
4月のオリエンテーション時期には、一気飲みの危険性を訴えるチラシを配布するほか、関大周辺の店舗を巡回し未成年飲酒防止の協力を仰ぐ。
「取り組みが十分奏功しているとまではまだ言えない」と関大の担当者は話すが、「本来、飲酒は各個人のモラルに依拠するもの。学生の意識向上に今後も努力していく」としている。
神戸大では、新入生に配布する学生生活案内やオリエンテーションで飲酒に関する注意喚起を行っている。また、課外活動団体に対するリーダーズトレーニングでも行政機関が作成したリーフレットを配布し、アルコールの危険性を説明する。来年度からは正規の授業で飲酒に関する啓発をしていく予定だという。
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