授業の空きコマを1人で過ごす学生に向けて、大阪経済大の学生らが「おひとりさまカフェ」を同大でオープンした。テーブルに間仕切りを設けるなど、座席は全て1人専用。内装や店内の雰囲気にこだわり、周りを気にせずに1人でゆっくりできる場を提供する。

 座席の配置は「視線」を意識。テーブル席やカウンター席では間仕切りが周りの人の視線を遮るほか、視線が合わないように向きをそろえてソファを配置したスペースがある。また、観葉植物や畳の椅子などで落ち着いた雰囲気作りも行う。観葉植物は間仕切りの役割も担っているという。

 1人でゆっくりしながら、飲食ができる場所が学内になかったことがカフェオープンのきっかけだったと、カフェを企画した北松圭太郎さん(大経大・4年)は語る。空きコマで1人になった際、図書館ではゆっくりできるが飲食はできない。学内にあった他のカフェは、サークルなど団体での利用が多く「1人で落ち着く場所」としてはふさわしくなかった。

 もともと学内で営業していたカフェが撤退したため、昨年9月に同大は空きスペースを活用するアイデアを学生から募集していた。他の学生からもいくつかの企画が集まる中、北松さんはゼミの仲間数人とチームを作り「おひとりさまカフェ」を企画。大学の経営陣に対しそれぞれプレゼンを行ったところ、北松さんらの企画が選ばれた。約1年にわたり準備を行い、ことし10月にオープンした。

 カフェの運営は学内の掲示板などを通して集まった学生らが行っている。メニューも学生が考案し、ランチ向けの料理や軽食を中心に少しずつ増やしているという。利用者の声も取り入れつつ、「1人で過ごす人が落ち着ける場所」を目指す。

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