今夏、浴衣で登校する「関大浴衣デー」や、着物ファッションショー「MIYA COLLECTION」が開催された。紅葉が見頃を迎え、着物で観光地へ出かける人も少なくない。学生らも、さまざまな観点から、日本の伝統文化「着物」に関する活動を行っている。

 関西女子大生団体「riche(リシェ)」は、3分以内で簡単に着られる着物を開発した「都舞手(つぶて)」の協力の元、オリジナルブランド「万華鏡」を立ち上げた。「伝統の染め方や折り方で、本物の着物の美しさを若い人に伝えたい」という思いからだ。華やかさや上品さあふれる着物を、女子大生らしいアイデアでデザインした。「着物の知識がないので苦労した。パンフレットを何枚も見比べてどの着物が良いか、メンバーと話し合った」と山本千晴さん(同志社女子大・1年)は振り返る。1月の完成に向け着物作りを進めている。

 京都大の学生からなる「京都着物企画」は、着物の着付け塾やファッションショー、着物ギャラリー「一見屋」などを企画している。若者に日本の伝統文化の魅力を伝えるため活動していて、中でも気軽に参加できる着付け塾が人気だ。11月3日にも行われ、学生だけでなく社会人やインドからのインターン生など21人が参加した。

 代表の髙岡奈都海さん(京大・2年)は「着物をレンタルして着ている人が多いが、非日常を楽しむだけで、日本人なのに文化を大事にしていないのでは」と指摘する。着付け塾ではレンタル店と異なり、部員らが丁寧に着付けの仕方を教えてくれるため、自分で着物を着付ける楽しさも味わえるという。「着物に触れて身近に感じつつ、自分で着られるようになったら楽しい。自国の文化を愛せるきっかけになってくれたら」と話した。