関西発 音楽家の卵で演奏会
「第5回関西の音楽大学オーケストラ・フェスティバルIN京都コンサートホール」が9月26日行われた。複数の音楽大学の学生らで一つのオーケストラを結成し公演するのは、全国に先駆けた試みだという。8大学の学生らが作り出す音楽に、来場者らが耳を傾けた。
プログラムはモーツァルト作曲「聖母マリアへのリタニアK.195」、ブルックナー作曲「交響曲第7番ホ長調(ハース版)」。指揮はNHK交響楽団正指揮者を務める尾高忠明氏だ。リタニアではソプラノ・朝枝恵利子さん(京都市立芸術大・修士課程)らの祈りの歌がホールに響いた。
厳かな雰囲気の中でもひときわ芯のあるテノールの音色を聴衆に届けたのは伊原木幸馬さん(大阪教育大大学院・修士課程)だ。第22回日本クラシック音楽コンクールで第3位に入賞するなど、国内屈指の実力を誇る。5月にオーディションを受け、ソリストの座を手に入れた。「本番を迎えるにあたって、素晴らしいソリストやオーケストラ、温かいお客様のおかげで、すごく楽しくできた」と微笑んだ。
管弦楽団も8大学の学生からなる。ワーグナーチューバやオルガンなど、珍しい演奏者がそろうのも大学で音楽を学ぶ学生ならでは。大学によっては、人数の関係などから大編成や合唱付きのオーケストラは難しいため、良い機会になっているという。また、会場では音楽の道を志望する大学受験生に向けたブースも各大学が設置し、にぎわいを見せた。
訪れたクラシック音楽愛好家の男性は「ネットで調べて来ました。こんなに学生がすばらしいと思わなかった。びっくりしました。また来たいですね」と話した。
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