京都市の中心部から車でおよそ1時間半走るとたどり着く京都府南丹市美山町。自然豊かな風景の広がる集落で京都の大学生を中心に「京都Xキャンプ美山」プロジェクトが始動している。
 京都Xキャンプの活動目的は「学生の専門分野を生かした地域活性化」だ。学生たちが持ち寄ったさまざまな企画を、約1年かけて練り、夏の休暇などを利用して練られた計画を実行に移す。2011年から京都府与謝野町で始まり、翌年には美山町でも活動を開始した。
 ことしの夏は36人のメンバーが美山町での活動に参加し、大学や学部、学年を問わず常時参加者を募っている。
 ことしは「リノベーションプロジェクト」により建てられたカフェを「かえっこcafe」として利用した。かえっこcafeでは、農家が持ってきた野菜を、料理として振る舞い提供する「かえっこ」で地域住民との交流を図っている。 
 そして「めぐりめぐるプロジェクト」では、美山町長谷地区の民家で眠っていた古着物をのれんにリメイクする活動を行うことで、地域住民との親睦をさらに深めた。のれんのデザインは、住民と直接話し合い決定。民家ごとに異なった個性のあるのれんを作る。
 のれんづくりの発案者で、めぐりめぐるプロジェクトリーダーの南美月さん(京都工芸繊維大・3年)は「住民の方の思い出やこだわりを盛り込んだのれんをきっかけに、住民同士の交流がより深まってほしい。長谷地区にある民家44軒すべてにのれんを作り、『のれんの町長谷』と呼ばれるようにしたい」と話す。
 京都Xキャンプの活動によりのどかな田舎町の集落は徐々にだが確実に活気づき始めている。vol.273