【野球】【秋注目の新入生特集】走攻守ひたむきに挑む 関大の韋駄天
春季リーグ戦、全試合スタメン出場を果たした関西大・多田桐吾。打率は西田尚寛(4年)と並ぶチームトップタイの.255を記録。走塁ではチームトップの7盗塁を決めた、関大の次世代切り込み隊長だ。
「打率は3割を越えたかった」と春の成績に満足しきれない様子。しかし、西田と同率1位という結果に「チームに貢献できたという安心感がある」と嬉しさを滲ませた。
打撃、脚力に自信をもつ多田だが、守備に関しては課題を感じているという。春季リーグ戦には外野手として出場。夏から本格的に内野の練習に取り組み、今秋からはセカンドを任された。「ポジションが変わったことで、守備に少し緊張感がある。まだまだ実力不足」と克服に向けて日々練習に励む。中学時代まで務めていた内野手。大学入学時に「また内野を守りたい」という気持ちが出てきたという。内野への再挑戦は「足はあってもパワーや肩がない」と自身を分析した結果。「プロ野球でも力のあるバッターが外野を守っている場合が多い。社会人野球など、これから先を見据えた上で内野の練習をしていく」と将来を真っすぐとみつめる。「内外野、両方できる選手がいたら使いやすいと思う」とチームへの思いも語った。
「高校まではやらされる練習、大学は自分の意志でやる練習」。高校時代、名門・明徳義塾高で守備に重きを置いた練習を経験した多田。ノックだけでも大学の3倍の時間を費やしていたという。「短い練習時間でどれだけ集中してやるかが重要。練習を真剣に取り組んだ上で、自主練習をどれだけやれるか。やればやるだけ自分の力は上がる。大学野球は自分の力を伸ばせる場所」と語る。野球に対する意識として、「練習で手を抜けば抜くほど結果は悪い方へといってしまう」と話す。「どれだけいいことができるか」。野球だけでなく私生活においても、その思いは変わらない。「自分けっこう野球の神様とか信じるタイプなんです」と笑みをこぼした。
「練習中と私生活とのメリハリがあるチーム」と関大野球部について語る。「キャプテン(4・平岡志大)や4年生を中心に真面目な方が多いので、その分、全体も引き締まった練習ができていると感じる」と話す。また、普段は明るく賑やかなチームだというが、練習中は「意味のある声、雰囲気を良くするような声」で全体が活気づくという。
目標の打者は西田だ。入部当初に洗練されたスイングを目の当たりにし、大学野球のレベルの高さを実感したという。守備面では強肩で打球処理がスムーズな永岡駿治(3年)を挙げた。試合中、ショートから届く永岡の「一声」には気合が入るという。「『このバッターはこういうタイプ』と助言してくれる」。
1年生の活躍が目立った春季リーグ戦。気になる選手として「片山翔太(関西学院大)、高岡佑一(近畿大)、辰己涼介(立命館大)」の名を挙げた。「取りあえず同世代には負けたくない」。静かに闘志をみせた。
秋季リーグ戦、早瀬万豊監督はポイントとなって欲しい選手として1番に多田の名を挙げた。対近大2回戦(9月13日)、指揮官の期待通り5打数3安打1打点の活躍をみせた。「1年生で出ているからといって調子にのることなく、あいつが出ていても仕方ないと認められるようしっかり結果を残したい。その姿勢がタイトルにも繋がると思う」と強い思いを語る。目標はリーグ優勝、神宮大会出場だ。関大の若きリードオフマンはさらなるレベルアップに向け、真摯に挑戦を続ける。
【一問一答】
◇野球を始めたきっかけ
小学生から野球を始めたが、きっかけは記憶にない。
(父と兄のようにサッカーをやる予定だったらしいが、バットをよく振っていたため、野球チームに入ったと聞いた)
◇好きな野球選手
イチロー(マイアミ・マーリンズ)
◇ライバル
なし
◇モットー
最後まで諦めないこと
◇ゲン担ぎ
特になし
◇アピールポイント
脚力
◇チャームポイント
目
◇好きな食べ物
特になし
◇好きな時間の過ごし方
夜、一人で外で素振りをすること
◇今、日常生活で悩んでいること
特になし
●ただ・とうご(二塁手)
右投左打
明徳義塾高校出身
1996.6.26生
170.2cm・65.1kg
50m走5.8秒
遠投90.0m
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