羽衣国際大(堺市西区)の放送・メディア映像学科の学生が監督を務める、オムニバスドラマ「阪堺電車」の撮影が始まった。タイトルの通り、舞台となるのは大阪市内と堺市を結ぶ阪堺電車。同大の学生4人がメガホンを取り、何気ない日常に巻き起こる人間模様をユニークに描いていく。

 「阪堺電車」制作のきっかけとなったのは、おととし12月に行われたワークショップだった。堺市内の高校生が考案した6本のシナリオを、堺親善大使を務める脚本家の今井雅子さんが1つのオムニバスドラマとしてまとめた。監督する学生は、制作プロデューサーを務める同大の村上清身教授(現代社会学部放送・メディア映像学科)が、自身の授業を受講している学生とゼミ生から選抜した。また、同大の演劇部や同大と協力関係にある専門学校の学生、堺市が公募したオーディションで選ばれた人々が出演する。

 作品は8月5日にクランクインを迎える。営業時間中の阪堺電車の車両を使い、撮影が開始された。ドラマの撮影は今回が初めてだったという宮城成伶(みやぎ・せれな)さん(同大・3年)は「実際に走る電車の中で、限られた時間内に撮影するのが大変だった」と監督した感想を話す。これから撮影に臨む川端見歩さん(同大・3年)は、「私が監督する『利休の相談室』という話では、主人公の女性の心の変化が描かれている。ドラマを見た人に、自分も変わろうと思ってもらえる作品になれば」と意気込みを語る。

 現在は撮影の真っ最中。完成予定日の来年2月21日には、同大の講堂で無料の上映会を行い、堺市のホームページでも公開する予定だ。

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