現代の「和文化」へ
着物をリメイクしてドレスにする「和ドレス」の知名度を上げるための取り組みを、京都産業大の伊吹勇亮教授のゼミ5期生が行った。和ドレスを実際に着た動画を作成しインターネット上にあげたり、SNSを利用して定期的に和に関する情報を発信したりするなど、1年間でさまざまな活動をした。
伊吹ゼミでは毎年企業から課題が与えられ、その課題を1年かけてこなしていく。2014年度は「日本の文化が一過性のブームではなく、向上的な文化として興味を持ってもらうにはどう解決したらいいのか」という課題を和装品を扱う荒川株式会社から与えられた。
伊吹ゼミの末吉直道さん(京産大・3年)は「和の文化は昔の文化というイメージが強いことから、もう1度和の文化を巻き起こすにはどうしたらいいか、案を考え出すことは難しかった」と言う。最初は納得のいくアイデアがなかなか思い浮かばなかったが、悩んだ末にゼミ生の1人が「和ドレス」を提案。和ドレスならば現代の人でもなじみやすいだろうと、知名度を上げる取り組みを行うことに決定した。
ゼミでは動画作成を中心に和ドレスのPR方法を考案。動画は場所を問わずに見ることができ、知名度を上げる対象が20代~30代の女性なのでネット上で拡散されやすいことに着目した。和ドレスはKimono Dress NADESHIKOから借りた。
取り組みは6~7人の3班に分かれて行った。動画を作成する動画班、SNSなどを利用して動画を世間に拡散する動画拡散班、動画以外のPR方法を模索して実行する動画以外班だ。動画拡散班は和の堅いイメージをなくそうと「和子」というキャラクターを作成し、SNS利用者に愛着心が湧きやすくするよう工夫。また、動画以外班では試着イベントを大学で開き、実際に京産大の女子学生に和ドレスを着てもらった。試着した学生は着付けが簡単なことに驚いたという。
伊吹ゼミの阪本里奈さん(同)は「この1年間、作業が思い通りに進まなくて苦しすぎて泣く子もいた。しかし、苦労したからゼミ全体で仲良くなれた。また、自分たちのPR動画を機に和ドレスを着てみたいと思う人が増えればうれしい」と話した。
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