【野球】関西学生野球開幕前特集 vol.1 京都大
昨季は23季ぶりの勝ち点獲得に加え、現行リーグ発足後最多の通算6勝を達成。エースの田中英祐が千葉ロッテマリーンズに2位指名を受け、大学初のプロ野球選手を輩出。創部以来の快挙を成し遂げた京都大野球部。リーグ1の注目を集めたものの28季ぶりの最下位脱出はならなかった。
今季から指揮をとるのは青木孝守監督。2012年の寶馨(たから・かおる)前監督の就任と同時に昨年まで京大野球部の助監督を務め、打撃の指導を行なってきた。
今季最大の懸念材料は田中、富田の2本柱を失った投手陣。「バッテリーが抜けたのはうちだけ」と指揮官も焦りを隠せない。対戦チームには経験豊富で実績のあるエース格の投手が残る。起用については「継投策しかない」と言い切った。先発の最有力候補は、最もマウンド経験のある小林(4年)。彼がどこまで試合を作れるか。2年生の井口、大山、松本も徐々に力をつけリーグ戦で登板できるレベルに達してきたという。オープン戦ではB戦を組み、試合経験のない選手たちにマウンド経験を積ませた。先発投手には、打たれても長い間投げさせ試合感覚を身に付けさせてきた。
打線は昨年から劣りはない。ベストナイン選出経験を持つ佐藤(4年)、前川(4年)、主将の中里を筆頭に経験豊富な選手が残る。昨秋のチーム打率.229は関大、立命に次ぐ3位。しかし、青木監督は「心配していなかったが打線は水もの」と、オープン戦の経過を受け調子の波が懸念材料だと話す。また、ランナーセカンドの際の打率の低さも課題に挙げた。主将の中里は攻撃面のに展開について「消極的なバントではなくエンドランなどを用いた攻撃的な野球を目指す」と話す。ケースを設定した実戦に近い形の走塁練習にも取り組んでいる。
「田中さんが抜けたことによってチーム力が評価されるのが今年」。昨年の快進撃は絶対的エースの力だけではない。そう証明できるものは今季の結果のみだ。目標は勝ち点2で最下位脱出。エースの離脱により対戦相手は隙を見せるかもしれない。京大が開幕戦からリーグに波風を立てることができるか。チームの真価が問われる1年が始まる。
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