神戸大の学生らが参加する篠山市地域おこし協力隊が、兵庫県篠山市を活性化させるために移動カフェ「マイクロカフェ篠山」を昨年10月にスタートさせた。現在は丹波篠山を中心に活動している。

 地域おこし協力隊は、総務省が2009年に創設した制度。都市部の住民や学生が地域に住み地域協力活動を行うことで、地域の活性化を図る取り組みだ。篠山市では2014年度から地域おこし協力隊事業を導入し、神戸大と連携して事業を展開している。

 メニューはコーヒー豆を使った一般的なコーヒーと、丹波篠山産の黒豆が使用されている黒豆コーヒーの2種類。「篠山では移動カフェの需要は高い。さまざまな集落から移動カフェに来てほしいと呼ばれている」と篠山市地域おこし協力隊コーディネーターの高田晋史さんは話す。初めて営業に行った場所でもお客さんからは「また来てほしい」と喜びの声があるという。また、大芋地区直売所「なかの里」の朝市に4月から定期的に訪問することが決まっているなど、篠山の人たちから親しまれている。

  移動カフェ発足のきっかけは、高田さんが大学生のころにカフェでアルバイトをしていた経験から。カフェは会話の場になり、地域に溶け込みやすいのではないかと考えた。だが、1カ所で店を構えるのは、1つの集落の規模が小さいため営業をするのは難しいと判断。そこで、移動できるカフェならば需要があればどこにでも行け、丹波篠山には移動カフェは他にないため営業面でも「勝てる」と確信し、運営に至った。

  現在は3月初めに合同会社「Rufus(ルーフス)」を設立し、移動カフェの運営を中心に営業している。今後の目標は役員の報酬をカフェの売り上げだけで払えるようになること。「利益を上げることも目的だがそれだけでなく移動カフェを運営することで、地域の人たちの憩いの場となり丹波篠山が盛り上がってくれればうれしい」と高田さんは話した。        

 篠山市地域おこし協力隊では、現在隊員を募集している。社交的で、経済やビジネスに興味がある人が望ましいという。連絡は神戸大学篠山フィールドステーションまで。
TEL:079-506-2366
E-mail:strandgade30@gmail.com

vol.246