イスラム過激派組織「ISIL」が国際的な存在感を増す中、海外における危険に対し緊張が高まっている。事前準備や危機管理への意識が不足すると、盗難や置き引き、詐欺などの軽犯罪の被害に遭ったり事件・事故に巻き込まれたりしかねない。渡航時の留意点を取材した。

 大阪大学教育推進部学生交流推進課によると、どこが危険か、何をしてはいけないのかを状況に応じて判断することが重要だという。「貴重品の管理に注意し、現地で暴動や災害などが起こった際、興味本位で近づくことはしないように」と注意を促す。

 定期的な安否の連絡も求められる。同課の安達大祐さんは「大学のプログラムで留学する場合は、安否確認を兼ねて学生に定期報告を課している」と話す。一方、休学や留学、旅行などで海外に渡航する学生もいるため、大学が全てを把握できているわけではない。安達さんは「留学中に連絡なしで第三国に出かけたため行方不明になったと家族が心配し、外務省に連絡したケースもある。自身の安否はこまめに連絡するように」と呼びかける。

 また、同課は事前準備の必要性を指摘。渡航前に現地の情報をできる限り調べておくことが重要だと強調する。さらに外務省の海外安全ホームページで表示される各国・地域の危険レベルなどを参考に、渡航の検討が求められている国・地域などは「本当に今渡航しなければならないのかを考えてほしい」と話す。起こり得る危険を意識することが求められる。