近畿大学文芸学部の安起瑩(あんきよん)ゼミの学生が株式会社大和パッケージ(和歌山県和歌山市)と共同でヒト型メッセージカード『ポストマン』を開発した。『ポストマン』はメッセージを書き込むだけでなく、折り曲げてポーズを作り、視覚的に気持ちを伝えることができる。

株式会社大和パッケージが近大にメッセージカードのデザインを依頼したことがきっかけで実現したこのグッズ。広告や企業のロゴ、道路標識など、情報をイラストや写真で伝達する「ビジュアルコミュケーション」の研究をしている安ゼミが関わった。開発に携わった松清薫さん(文芸・4年)は「ずっと想像していたものが形になっていくのが楽しかった」と話す。しかし、提案したものが全て商品化へ結びついた訳ではない。販売を目指す上でコスト面や現実性、売れるかどうかを考えなければならなかった。高橋舞美さん(文芸・4年)は「すべて自分の思い通りにいくわけではないもどかしさもあったが、良い社会勉強になった」と話す。

様々なアイデアの中からヒト型メッセージカードが選ばれたのは、「メッセージカードは人と人とを繋げる役割がある」という大和パッケージの黒川健二さんの考えからだ。また、メッセージカードをヒト型にすることにより、ただメッセージを伝えるだけではなく、自分の感情を形として表すことが可能。例えば手と足を上向きに折り曲げることで喜びの感情を表したり、頭を曲げることで謝罪の気持ちを伝えることができる。黒川さんは「今後も学生らと第二、第三のアイデアを発展させていきたい」と語った。

『ポストマン』は近大の東大阪キャンパス、和歌山キャンパスで販売中。価格は150円(税込)。文字だけでは伝えにくい思いを、『ポストマン』に託してみてはいかがだろうか。

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