昨年、「ブラックバイト」という言葉が広く話題になった。ブラックバイトとは、アルバイトにも関わらず、正社員のように働かされたり、シフトを勝手に決められたりするなど悪質なアルバイト先のことを指す言葉だ。そんなブラックバイトに対抗するため、近々「関西学生アルバイトユニオン」が始動する。

 関西学生アルバイトユニオンは、関西大や大阪市立大など、関西の大学生14人が所属。「学生の労働条件の改善」、「問題がなぜ生まれるかを考える」という理念から、アルバイトに関する相談や、大学などでの労働法講座、問題解決を主軸とした活動をする予定だ。
 ユニオンメンバーの青木克也さん(京都大・法学研究課)は「アルバイト先から不当な扱いを受けても、法律などの知識がない学生がほとんど。無知につけこむ悪質なケースが多い」と話す。青木さん自身も過去にサービス残業や、業務を一人でこなすワンオペレーションを経験。しかし労働法を勉強し、雇用主に違法性を訴えることによって、自分の要求が受け入れられるようになったという。
 実際にブラックバイトに悩む学生がいるのかどうかを調べるために「バイト実態調査アンケート」を実施。アンケートの裏に自由に一言を記入できるスペースを設けたところ、「社員仕事してくれ!」「文句を言う前に待遇を良くしろ!」などの、アルバイト先に対するさまざまな意見や不満が寄せられた。
 また、ユニオンはブラックバイトだけでなく、奨学金問題にも取り組む予定だ。現在の奨学金は4分の3が有利子。奨学金を返済するために、「正社員になればなんでも良い」という発想から、ブラック企業に就職してしまう例もあり、自身の進路を棒に振ることも。
 「学生が気軽に相談でき、自分の問題を解決して、なぜそのような問題が起こるのかを考える場をつくっていくこと」を主たる目的とする関西学生アルバイトユニオン。今後の彼らの活動に注目だ。
   

vol.237