政治参加 主体性問われる
第47回衆議院議員総選挙が昨年12月14日に行われた。選挙のたびに問題視されるのが、若者の投票率の低さだ。投票率が低い限り、若者の声は政治家に届かない。投票権の価値を再認識すると共に、自らも政治に参加しなければならないという自覚が必要だ。
学生向け議員インターンシップの運営などを行うNPO法人「ドットジェイピー」関西支部の岡田拓朗さん(関大・4年)は、「政治家は自分に投票した人の求める政策を行う」と話す。投票率が低ければ、投票した若者の声も埋もれてしまう。さらに、20代の投票率向上を目指す学生団体「ivote関西」代表の徐東輝(ソォ・トンフィ)さん(京大・修士)は、「国の未来のあり方を決める政治に、若者が関与していない現状が何よりも問題だ」と指摘。若者が投票を行い、政治に関わることの重要性を主張する。
徐さんが強調するのは「一票の価値」だ。若者に対し「投票できるのは素晴らしいということに気づいてほしい」と話す。今回の衆院選を前にivote関西は、日本の若者に向け、普通選挙をめぐりデモを行っていた香港の学生からのメッセージ動画を作成。香港では普通選挙の実現を求める学生らが、街の中心部を占拠するなどの抗議活動を昨年12月まで続けていた。動画では香港の学生が「投票する権利を無駄にしないで」と訴えている。
投開票後にUNNがWeb上で行った調査では「面倒だった」ため投票しなかった学生が見受けられた。「興味が湧かない」、「ニュースを見ない」など、政治参加に消極的な意見も。対して岡田さんは、「学生ならば教育や子育て、経済など、自身が関わる分野には目を向けてほしい」と話す。また、徐さんは「国の未来を決めるのだから分からない、では済ませられないこともある」と語る。政治について主体的に情報収集をすることも重要だ。
学生の政治への関心を高めるために両団体が共通して行うのが、政治家と学生が直接関わる機会の提供。ivote関西では、政治家を居酒屋に呼び学生と語り合うなどのイベントを行う。政治の「堅苦しい」イメージの改善が狙いだ。
投票をしない若者に対し、「自分たちの子供の世代のことを考えているのか」と徐さんは問う。「投票しなければ、国の未来をどうでもいいと言っているようなもの。自分たちがこの国をどうしていくのか、語り合う。そういう姿勢であってほしい」。
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