【野球】【12月号掲載】クロスロード 京大田中の「1年目」
2014年度ドラフト会議で話題となった京都大、田中英祐投手。ドラフト会議直後から一般報道には「京大生プロ野球選手誕生」の文字が躍った。京大初のプロ野球選手の実力に関心が高まる。
田中が最初に注目を集めたのは2013年の秋季リーグ、立命館大との一戦だ。異例の延長21回という長丁場を一人で投げ抜いたスタミナ、終盤でも140㌔台の直球を投げ込むタフネスを見せつけた。
田中はプロで通用するのか。8月23日に行われた阪神タイガース2軍とのオープン戦に田中は先発。7回を投げ、打者33人に対し自責点4という結果、多彩な変化球と高い適応力にスカウトも舌を巻いた。
一方、田中のプロ1年目を不安視する声もある。関西学生野球リーグのある監督は「野球と学業の二足のわらじをはいてきた田中が、野球一辺倒の環境に対応しきれるか」とコメント。1年目は準備期間としてプロの世界に体を慣れさせた方が良いのではと指摘した。
「京大出身」というだけで話題になる。田中と同じく高学歴投手として注目を集めた選手には東京大出身の松家卓弘が挙がる。松家は2004年のプロ入りから初登板までに5年かかり、12年には戦力外通告を受けている。ロッテ伊藤監督も田中の指名について「話題性プラス実力で指名させてもらった」とコメントし、「京大出身」という肩書きの先走りは否めない。
「プロの雰囲気に慣れること。プロで通用する部分と通用しない部分を見極めたい」と1年目の目標を話す田中。大学4年間で培った実力を発揮するためには、プロ球界に適応することが重要だ。話題性だけではないことを示せるかが田中のプロでの飛躍を占うポイントになる。
コメントを残す