関西学生野球リーグでは、立命館大・松岡慶次監督、同志社大・小玉孝監督、京都大・寶馨(たから・かおる)監督の退任が秋季リーグ限りで決定した。
 松岡監督は2度のリーグ連覇を含む計12回の優勝、現行リーグ発足後初の通算300勝を達成した。「今年で監督として20年目を迎え、通算300勝を達成し、節目だと考えた」と説明。また、指導者育成のため、自身が身を引くべきと考えたことも退任の理由となった。最も印象に残った試合は今秋の最終戦。「勝てば優勝、負ければ引退という試合で最後まで選手が意地を見せてくれて、とても感動した」と松岡監督。人柄を慕う声も多く、今年度主将の古川敬は「愛情をもって接し、選手を信じる監督」と慕う。
 また、今季プロ野球界で話題をさらった大学でも監督人事が行われた。2年間監督を務めた京大の寶監督は、本業の教授職に専念するため引退を表明した。今春は23季ぶりの勝ち点を獲得。さらに京大野球部史上最多の年間通算6勝を達成、田中英祐がロッテから京大史上初となるドラフト指名を受けるなど、快挙を遂げた世代を率いた。「最下位を脱出できなかったのは残念だが、成果を挙げられた」と振り返る。来季からは部長専任として、グラウンドや設備の整備、資金的バックアップ体制の強化にも取り組む予定だ。後任は2012年から2年間助監督を務めた青木孝守氏に決定している。
 2季連続5位と低迷する同志社も監督退任を発表。08年に就任した小玉監督は10年春から4連覇を果たした。在任中には現巨人の小林誠司を輩出。今季は最終節まで勝ち点を獲得できず不振にあえいだが、最終節立命戦で勝ち点を取り最下位を回避した。
3監督同時の退任は過去10年間はなかった異例のこと。3大学は新しい指揮官のもと、来季を迎える。