有償ボランティア「治験」
大学の掲示板で、一風変わったA4サイズのビラを目にした。「治験モニター募集」という見慣れない言葉だ。一体何をするのか、どうすれば体験できるのか見当もつかない。医療関係の仕事だろうか。では、その実態に迫るため、治験モニターをUNN部員が体験してみた。
治験は治験募集のWebサイトか、病院ホームページで見つけてから応募することになる。病院に通う患者に対しての募集がほとんどらしく、一般公募自体を見つける方が難しいそうだ。また、バイトではなくあくまで「有償のボランティア」というのが治験の立ち位置。厚生労働省が定めた基準や、薬事法といった法律に沿って進められる。今回は友人の紹介を受けた部員が、京都府内の病院にて2回の体験を行った。
治験と言ってもさまざまな種類がある。1日から2日と短期間で終わるものもあれば、泊りがけで行い1週間をゆうに越すものもある。また、内容や病気によって被験者に制限が課されることもあるようだ。今回の体験では飲酒と喫煙が禁止だった。1回目は「風邪薬」のモニターで、基本的に大半の時間をベッドの上で過ごすことに。食事は3食無料で入浴は自由。その間に採血等の検査を行い、半日程病院に拘束された。2回目は「鎮痛剤」のモニター。泊りがけで、同様の検査を行った。拘束時間が長いのは不満だが、勉強や本を読みながら時間をつぶすことも可能だ。報酬は1、2回合計でおよそ数万円の報酬。1回あたりの拘束時間を考えると時給は、京都府の最低賃金789円の数倍ほどだった。
身近なボランティアとはなかなか呼びにくい「治験モニター」だが、治験募集のホームページを見る限り、実は幅広い年齢層の被験者を募集している。平等に門戸を開いているようだ。体験を終えた部員は「貴重な経験だった」と話す。続けて「文系学生の自分が医学の発展に関わることができるとは」とも話した。
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