【サッカー】【10月号掲載】関学失速 踏ん張りどころ
関西学院大が正念場を迎えている。9月21日の後期リーグ第2節で最下位の同志社大に敗戦。9月7日の関西大戦から3戦勝利が無く、リーグ3位に転落した。天皇杯でJ1神戸を破り、リーグでは開幕からおよそ5カ月負け知らずだった関学にとって、あまりに衝撃的な失速だ。
21日の同志社戦ではいら立ちばかりが募った。ボールを支配しながらも、オウンゴールで先制点を献上。DF武田が退場処分を受けた後には追加点を許した。さらに追い打ちをかけたのがMF岡山の退場処分だ。9人での戦いはさすがに攻め手を欠く。FW呉屋の一発で生まれていた反撃ムードも、あっけなくしぼんだ。
敗色を濃厚にした岡山の退場は、微妙な判定によるもの。失点も不運な形だった。それでも主将のDF福森は「ちゃんと準備していれば防げた」と悔やむ。MF徳永も「自分たちで苦しい展開にした」。
◎「関学対策」に打つ手なし
徳永が嘆いた。「(8月末の)リーグ再開後はチームを分析されて、苦しい試合が続いている」。
21日。相手の同志社が仕掛けた作戦は、「関学の右サイドを突く」というシンプルなもの。同志社の望月監督は「前節の関学を見て、そこの守備が緩かったので、狙いかなと」。
関学は見事にしてやられた。右サイドバックの武田は相手の果敢なドリブルに苦しんだ。結果として52分、相手の侵入をファウルで食い止めた武田にレッドカードが提示された。
「関学対策」をされるのも強さの証拠。「でもそれを上回らないと」と徳永は語気を強める。
◎募る危機感 問われる強さ
相手が対策をしてくる一方で、関学もチーム内に変化を加えようとした。ボランチでの起用が続いていたMF出岡。リーグ再開後からポジションを少し前へと移し、攻撃に厚みを持たせた。だが7日の関大戦ではその分手薄になった守備を突かれ、3失点を喫した。
21日の同志社戦では固定だった先発を5人入れ替えた。しかし効果は表れず、逆に連携ミスを招いた。
「チームとしてやり直さないと。優勝を目指すうえでもう落とせない」。徳永は焦りを口にする。
昨季、前期リーグ後半に失点が増えた。最終節の敗戦後に成山監督が言った。「強いチームなら苦しいときでもなんとか打開してみせる」。後期、チームは奮起。リーグ2番目に少ない失点数で白星を重ねた。
今季、関学がまさに「苦しいとき」を迎えている。窮地を好転させられる「強いチーム」なのか。真価が問われている。
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