◇第38回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント準々決勝(2014年8月13日 J-GREEN堺・メインフィールド)

<阪南大(関西第4代表)1-3流通経済大(関東第5代表)>おととしの王者阪南大は8強止まりだ。この日は開始2分に先制を許す苦しい展開。MF江坂やFWジャーメインら流経大の強力な攻撃陣にペースを乱され、後半にも2失点を喫する。反撃は終盤の1点のみで完敗という結果に終わった。

 「下げるな、下げるな」。ベンチから叫び声のような指示が飛ぶ。中央ではバックパスを連発し、サイドではドリブルをしかけず単調なクロス。阪南大から積極性が消えた。

 序盤、激しいぶつかり合いでイエローカードが乱発。確かに冷静さが問われる試合だった。「けど、だからと言ってプレーまで消極的になっては勝てない。激しさは保たないと」。須佐監督は首を振った。

 2大会前の王者が前回王者に敗れた、というだけの話ではない。関西リーグ首位の阪南大が、関東リーグで8位に沈む流経大になす術無く敗れたのだ。特に阪南大はおととしに総理大臣杯を制覇して以来、トーナメント戦での優勝から遠ざかっている。

 この日、相手の流経大も主導権を握っていたとは言い難い。しかし、前線で簡単に突破できずとも、体を張って粘り強くシュートまで持ち込んだ。流経大の中野監督は言う。「理想的な型にはめられなくても、勝ち上がらないといけないのがトーナメント。勝ちたいっていう貪欲さがうちにはあった」。

 トーナメント戦で勝てるチーム、勝てないチーム。この違いを、気持ちとプレー両面での激しさに見たようだった。

【前半】阪南大0-1流経大
【後半】阪南大1-2流経大
【試合終了】阪南大1-3流経大
【得点】阪南大:DF大本(83分) 流経大:FW渡辺直(2分)、MF富田(68分)、MF江坂(77分)

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