9月13日から23日にかけて京福電鉄嵐山駅にて、京都嵯峨芸術大の学生らによる『嵐山アートプロジェクト2014「一寸、やんごとなき京都~嵐電ジャックしてみた~」』が行われる。8月7日までは第1弾として、嵐山駅のホームやタリーズコーヒー店内に同大の学生らの作品を展示した。

 嵐山アートプロジェクトは、京都嵯峨芸術大芸術学部デザイン学科で観光デザインを学ぶ2年生が企画、実行している。第1弾では「とりあえず、ジャックしてみた。」と題して嵐山駅のホーム天井に染織作品をつるし、 タリーズコーヒー店内にある写真作品を全て版画作品に変えた。9月13日からはホーム天井とタリーズ店内に加え、留め置きの電車内や駅の入り口、屋外にも作品を展示。電車内には油画や日本画、駅入り口と屋外には彫刻作品などを展示する予定だ。また、営業電車の中づり広告をコミックアート作品に変えてしまう「コミックアート電車」も企画している。

 「京都嵯峨芸術大の学生の作品を多くの人に見てほしい」という思いから企画された本プロジェクト。同大の学生らから作品を提供してもらい展示する。設置場所や方法の考案、広報など、運営に携わるのは観光デザインを学ぶ5人の2年生。「人数が少なく大変なこともあるが、学生の作品を外部に発信していきたい。作品を見た人の声を作家の耳に届けられれば」と話す。

  プロジェクトでは、嵐山駅に芸術作品を展示し「日常の中に非日常の芸術空間を演出する」ことを目指している。「非日常」を演出するために、作品の設置場所や方法に工夫を凝らす。また、作品を選ぶ際には、見る側の視点を重視しているという。展示する作品には、動物の彫刻や風景画、人物画など、一目で芸術作品だと分かるものを選ぶ。「嵐山は観光地でもあるから、楽しい場所であってほしい。芸術をよく知らなくても、作品を見るだけで楽しめるようにしたい」。

 嵐山駅が多くのアート作品で「ジャック」され、「非日常」の空間へと変わる。普段とは違った嵐山駅に、足を運んでみてはいかがだろうか。

vol.214