現役京大生 農業分野で起業
現役京都大生による農業ベンチャーが、起業から1周年を迎えた。京野菜専門の卸業務を手掛ける「農鞠(のまり)」。農家との共同研究や、生産者や飲食店と共同でイベントを開催するなど、その幅広い活動は地域内外から注目を集めている。
もともと農業に興味を持っていたメンバーは、高品質にも関わらず市場に出回らない野菜がある一方、飲食店側の声が生産者に届かないというギャップに気付いた。生産者と飲食店側の双方が満足できる方法を模索した彼らがたどり着いたのは農業分野での起業。自分たちが卸業務を担当することで、生産者が自立して野菜を栽培できる環境を整えたいと考えている。
起業してわずか1年ほどであるが、およそ30軒の農家と契約し、90種類の野菜を取り扱っている。主な出荷先は関東の小中学校や素材にこだわる高級料亭など。京野菜の需要が高い首都圏がターゲットだ。
「自分たちが取り扱った野菜がお店で出されているのを食べた時の感動はひとしお。生産者と飲食店の間に入り、人と人をつなげていくことにやりがいを感じる」と話すのは取締役の李暁星さん(工・4年)。「消費者に生産者の頑張りや野菜の本当の価値を知ってもらうことで、農家をかっこいいと思える環境を作りたい」と正面から農業に向き合う。
「農鞠」では、春から新たな取り組みとして企業内にサークルを設立した。名付けて「ジバベジ・プロジェクト」。会社経営というと敷居が高いと感じてしまうが、まずはサークルという形で活動することで興味を持ってほしいと考えている。「学生にしかできないことがある。農業やビジネスの楽しさを感じてほしい」と人事担当の坂井晃人さん(農・3年)。一緒に活動する新しい仲間に会えることを待ち望んでいる。
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