今日、若者を中心にマンガ・アニメが人気を博している。その人気ぶりは日本国内にとどまらない。アジアを中心に日本へマンガ・アニメを学びにくる学生は年々増加しており、海外にも「オタク文化」が広まった。一方で「オタク」という言葉にマイナスイメージを持つ人もいる。日本の大学生はマンガ・アニメに対してどのような意識を持っているのだろうか。

 関西の大学生120人にマンガ・アニメに対する意識調査アンケートを行ったところ、「マンガ・アニメは好きですか」という質問におよそ96%の人が「好き」「やや好き」と答えた。多くの大学生がマンガ・アニメに対して親しみがあると言える。
 
 では、マンガ・アニメ好きを公言している人はどれくらいいるのだろうか。今回のアンケートでマンガ・アニメを趣味としている人の中で「公言している」と回答した人はおよそ70%。「公言していない」と回答した人は「周りの人がマンガ・アニメが好きとは限らないので公言する必要性を感じない」という意見が多く挙げられた。しかし、中には「なんとなく恥ずかしいと思うから」「大学の友達には引かれる可能性がある」などマンガ・アニメに対するマイナスイメージを気にする人も少なくないようだ。自分がマンガ・アニメ好きであることを公言していないというAさんは「『マンガ・アニメ→オタク→キモい』と連想するため、マンガ・アニメ好きを公言するのは怖い」と語る。仲が良い人にだけマンガ・アニメ好きであることを話しているそう。「オタク=キモい」というイメージが残っているようだ。そのような印象を持ち、「マンガ・アニメが嫌い」と話すBさん。「マンガとかアニメは家で見るものだから引きこもっている人が多いイメージ。バンダナとか巻いていたり、ダサいイメージも強い」。マンガ・アニメ好きへの固定観念が、そのままマンガ・アニメ自体へのイメージとなっている。

 しかし、そんなイメージとはかけ離れた人もいる。ウェブサイト「美学生図鑑」で紹介されているハンドルネームU2K1さん(神戸松蔭女子学院大・2年)。DJとしても活躍している彼女は、幼い頃からのマンガ好きだ。そのことを隠しておらず、Twitterのアイコンにアニメのキャラクターを使用している。「オタク=キモい」というイメージがあることに対して彼女は「(マンガ・アニメ好きが)気持ち悪がられていることに対しては別に気にしていない。何かに夢中になれるのは素敵なこと」と語ってくれた。

 今回のアンケートでは、「マンガ・アニメ好き」を公言することに抵抗がある層が見られたが、実際に「嫌い」「やや嫌い」と答えた人はおよそ3%とごく少数。先入観により、マンガ・アニメはオープンな趣味になりきれていない一方、およそ96%の学生が親しんでいるのも事実。この実情に、大学側はどのような反応を示しているのだろうか。後半では、マンガ・アニメに対する大学の取り組みを調査する。