昨年、秋季リーグ2連覇を遂げた関西学院大。勝ち点4と、2位以下に大差を付けた完全優勝だった。まもなく開幕する春季リーグでは連覇の期待がかかってくる。振り返れば1年前も同じく連覇を狙った春季リーグであったが、シーズン序盤に白星を重ねることができず、3位に終わった。今季は昨年果たせなかった連覇へ、リベンジのシーズンとなる。

 今季は投手力に大きな自信を持っている。竹内監督が最も期待を寄せるのは宇都宮だ。実績と経験の少ない中で迎えた昨春、6勝2敗、防御率0.93と好成績を残し、関学の絶対的エースとなった。さらに、昨秋は最優秀選手、最優秀投手の2つのタイトルを獲得。秋季リーグ連覇、関学20年ぶりの明治神宮大会出場に大きく貢献し、リーグ随一の投手へと飛躍した宇都宮は「先制点を与えず、粘り強い投球をしたい」と今季もエースとしてチームを引っぱっていく。さらに、1年生ながら登板経験を積んだ中内も成長著しい。ここぞという場面に落ち着いた投球で打者を打ち取り、何度もチームを救った。昨年はリリーフでの登板が多かった中内だが、今季は先発の2枚目として活躍が期待されている。

 しかし、不安要素となっているのが昨年チームの要だった捕手の山崎裕の穴。竹内監督は正捕手候補として5人の選手を挙げたが、実力は横一線。正捕手争いはまだ続いているようだ。一方、打線は昨年のレギュラーが多く残っている。中軸は中島一、松原鴻、徳田で構成され、得意とする小技や機動力を生かした「スモールベースボール」で得点を重ねていく。

 主将の中島一は「個性が強く、やんちゃで気分屋な選手が多い」と今年のチームについて話す。そのため劣勢になると気持ちが沈み、プレーに悪影響が出ることも。だが、勝気の強い今年のチームは勢いに乗っている。チームで掲げた目標は「連覇して、神宮で一つでも多く勝つこと」。王者として臨むシーズンが始まる。