センター試験が難化傾向にあった今年度。国公立大への出願が低下するという推測のもと、京都大、大阪大、神戸大の3国立大学を対象に、電話取材での調査を行った。しかし、京阪神の3大学全体において志願倍率に大幅な変化は見られなかった。京大ではセンター試験の点数が大幅に圧縮される試験体制のため、2次試験での逆転を狙った出願が行われたと思われる。  学部では、変化が大きかったのは阪大の基礎工学部。センター数学の比重が他学部に比べて大きいため、阪大内では唯一、志願倍率が2倍を切った。また、神戸大の経済学部も昨年度の3.6倍から2.2倍へと激減。その一方で神戸大の経営学部は4倍を超える高倍率に。経営学部の入試では2次試験重視の試験体制もあるため、経済学部志望者がそちらへ流れたのではないかと予想される。また、阪大では新しく設置された理学部の挑戦枠が7.5倍という激戦区。挑戦枠では2次試験を重視した配点となるため「センターが難化したので、圧倒的に2次を重視する挑戦枠志望が増えたのだろう」と阪大の入試課はコメントした。  京阪神の3大学全体では大きな変化はみられなかった。しかし、2次重視の配点をとる学部が人気を博するなど、センター試験難化の影響が部分的に見受けられた。一見して、全体からは変化がないようにも見えるが、センター試験の結果は確実に影響しているようだ。