【本紙掲載】学祭飲酒 敬遠ムード根強く
神戸大の六甲祭では、2006年に泥酔した学生が、嘔吐で大学施設を汚すなどの事件が発生。事態を重く見た大学側が、翌年から同祭の飲酒、酒類の持ち込みを禁止した。
立命館大では、学内に酒類を持ち込むこと自体が禁止されている。そのため、祭での販売も行われていない。実行委員の1人は「泥酔した人が暴れたり、火気に近付けたりしたら危ない。酒のトラブルで(祭りの)秩序は乱したくないという意識は実行委員の中で共有している」と話すなど、実行委員会が飲酒に対してマイナスイメージを抱いていることが印象付けら
れる。
また、関西大では実行委員会自らの意思で、後夜祭の日に限り禁酒が実施されている。以前、後夜祭後に過度に盛り上がった学生が泥酔、暴れたり植え込みで寝入るなどした事件があったことがきっかけだ。同大学生生活支援グループの職員は「大学側が禁酒を指示することはない。(禁酒は)あくまで学生たちの意思」と話す。実行委員長の谷洋佑さん(関西大・3年)も「実行委員会はキャンパスを借りている立場。大学や近隣に迷惑をかけたくない」と話している。
一方、京都大の11月祭では、特に規制は設けられていない。しかし、同祭公式HP上で節酒が呼び掛けられるなど、飲酒に対する姿勢は慎重だ。
一般の学生も、実行委員会と同じく飲酒に対して慎重な考えをみせる。同志社大3年の男子学生は「学園祭だと、節度のない飲酒をする人が増えると思う。実行委員がそう思うのは無理もない」と実行委員に同情する。また、京大4年の男子学生は「学生一人一人が(節度ある飲酒に対する)意識を徹底して持つ必要があるのでは。大学に言われて禁酒にするようなことだけは避けたい」と話した。
◎未成年飲酒 対応まちまち
1、2年生も多く集まる学園祭では、未成年の飲酒を防ぐための策がより求められる。しかし、その策は大学によってまちま
ちだ。
関西大は以前、年齢確認をせずに未成年に酒類を販売していたことが指摘され、現在でも酒類の販売は禁止だ。
一方、神戸大の厳夜祭では年齢確認を徹底して酒類を販売。実行委員会が身分証で年齢を確認、成人と認定された人は手の甲
に押されたハンコを販売者に見せて酒類を購入できる。今年も、受付にはハンコを押してもらう人の長い列ができた。
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