【本紙掲載】三強のQB戦略と優勝の行方
●絶対的QBを擁する関学
今年、リーグを代表するQBといえば関学の畑だろう。昨年はスターターとしてチームの学生日本一に貢献。しかし、春は故障のため日本大戦に数プレー出場しただけで、近畿大戦では実戦不足が不安視された。それでも、TDパスを決めるなど卒のないプレーを披露。「緊張感はあったが、プレーごとに試合勘が戻ってきた」と試合を振り返った。多少の実戦不足も、豊富な経験でカバーしたようだ。「今年からオフェンスの中心としてチームを率いなければ」と責任感も増し、チームにとってより頼もしい存在となっている。
●パスを多用し雪辱を狙う立命
立命の荒木もリーグトップクラスの実力者だ。正確なパスが身上で、同志社大戦では16回中13回成功、2TDパスを記録するなど持ち味を発揮。荒木は「日本一が目標。結果を求めてやっていく」と決意を語る。昨年、関学との全勝対決に敗れ目標の日本一に届かなかった雪辱を果たしたい。
●4人のQBで相手を翻弄する関大
ディフェンスからの強烈なタックルを受けるため故障も少なくないQB。その一方で代わりが利かないポジションでもある。関学は齋藤、立命は山口らが控えるものの、畑、荒木と比較すると力不足は否めない。QBをほぼ固定する関学、立命に対し、関大は4人のQBを起用していく方針。強肩に加え、自らのランも相手にとって脅威となる前田、パス型QBの北川、1年生ながら上級生にも引けを取らない岸村、石内ら誰が出場しても十分に他校と渡り合える。誰かが故障で欠場しても、チームの戦力ダウンを最小限にとどめられるのが強みだ。
三強それぞれのQB戦略。それが勝敗の鍵となる。
◎今年も三強の優勝争いか
関西学生アメフトリーグは近年関西学院大、立命館大、関西大の三強時代と言われている。昨年は三強が上位を占め、今年も三強を軸に優勝争いが繰り広げられるだろう。昨年の覇者、関学が今年も優勝候補の最右翼。オフェンスではRBがタレント揃い。俊足の鷺野、フィジカルが強く3TDを記録している望月らが繰り出すランオフェンスは強力。ディフェンスにもDL梶原、LB川端ら昨年からの主力メンバーが残り、戦力の充実度はリーグ屈指だ。
一方、昨年関学との全勝対決に敗れ雪辱に燃える立命はOLが充実しており、服部、柴田らサイズ自慢の選手が揃う。そのOLのパスプロテクションの下、QB荒木から正確なパスが繰り出される。関学のライバルと目されるも、近畿大戦では苦戦。米倉ヘッドコーチは「こんな状態を続けていたら優勝はできない」とチームの現状に危機感を抱く。2年ぶりの優勝へ、気が抜けない戦いが続く。
関大はQBに前田ら4人を起用。QBにより戦術にも差異がある分、他校は対策を強いられるだろう。また、前田、WR__ら走力など身体能力に秀でた選手も多く、他校も警戒をしている。昨年のリーグ戦では4勝にとどまり、第7節を前に優勝争いから脱落。今年は最後まで優勝争いから脱落することなく、3年ぶりの優勝を目指す。
三強の直接対決は第5節から。それまでの試合で勝ち星を落とさないことはもちろんだが、内容も求められる。選手、コーチらは勝利にも満足することなく課題を口にしている。直接対決までにいかに課題を消化しチームの完成度を高められるか、1試合も無駄にできない。
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