子どもたちに学んでほしい
このイベント「地獄絵のおはなし」を主催したのは京都造形芸術大の学生たちによるプロジェクトチーム、「まか通」。同団体は、歴史ある建物や文化などを見つめ直し、より多くの人に知ってもらうことを目標に活動している。2012年度は「ことおこしをデザインする」といったテーマのもとにさまざまなイベントを企画している。
「地獄絵のおはなし」は、毎年まか通が開催しているイベント、「地獄絵絵解き」を子供向けにしたもの。子供向けに開催するのは今回が初めてだという。語り手は参加者に向かってマイクを使わず直接地獄絵にまつわる話を語った。釜ゆで地獄や針山地獄の話などが話され、メリハリの効いた声で地獄を表現した。子どもたちは恐がった様子も見せていたが、終始静かに話を聞いていた。
今回、企画の責任者を務めた田中杏奈さん(京都造形芸大・2年)は企画を始めたきっかけについて「もともと大人向けのイベントは行っていたが、それだけでは不十分だと感じた。子どもたちにも伝えていきたかった」と語る。今回の目的は子どもたちの倫理観や道徳観を養うこと。「口頭伝承として、このイベントが広まっていってほしい。子どもが大人になってからも、その子が子どもを連れてきてくれると嬉しい」と将来の展望についても話していた。
今回このイベントに参加した近所に住む子ども連れの女性は、地獄絵の話について「子どもは閻魔様の話が最も印象に残ったらしい」と話し、「子どもに何かを教えてくれるのはいい事だと思う。また機会があったら参加したい」と語った
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