春休みボランティアバスでは3月16日から19日にかけ、兵庫県内の大学に通う学生らが東日本大震災による津波の被害を受けた名取市の仮設住宅を支援した。現地にある尚絅学院大の学生とともに、ビンゴ大会や紙芝居などのイベントや、被災者のための新たな畑づくりを手伝ったりしたという。

 「被災地を直接見て、感じてもらいたい」との目的で始まった学生ボランティアバス事業。この事業に同コンソーシアムが関わるのは昨夏に引き続き2回目だが、主催したのは初めて。今回は夏にはなかった「学生らしくアカデミックに議論できる場」を前後に設けた。事後報告会では「継続的な支援を行う上での課題」「新たなボランティアを増やす上での課題」の2つをテーマに、8つのグループに分かれそれぞれがその原因と解決策について発表した。

 プレゼンでは、ボランティアについての情報不足が原因として多く指摘され、解決策として「SNSで周知を図る」「友だちに口コミで伝える」「使用者の多いトイレの近くに重点的にチラシを貼る」などが挙がった。実際にミクシィやフェイスブックなどのSNSにボランティア体験記を載せたら、多くの友人から反響を得たという体験を話す学生もいた。

 ボランティアバスに参加し「テレビでは分からない被災した方の気持ちや、今後どうやって支援を続けたらいいか学べた」という篠原健太郎さん(甲南大・2年)は、報告会で発表して「忘れがちになる経験を自分の中に呼び起こし、もっと深く(東日本大震災の問題について)考えられてよかった」と話した。「次回このような機会があったら行きたいし、行けなかったとしても友達を誘っていきたい」と意欲を語った。

 今回のボランティアバス事業を企画した同コンソーシアムのスタッフ、松下賢一さんはこの報告会を「(学生がボランティアした体験を)振り返って次につなげる場にできたら」と話した。