晴れ渡る秋空の下、純白の衣装に身を包んだ踊り手達が次々と登場。「メンバー全員で作り上げた」という独自のダンスを披露した。階段全体をダイナミックに使い、緩急のついた構成で約30分。靴や風船、シャボン玉を用いた振付も盛り込まれ、幻想的な空間を演出した。

舞台となった屋外南大階段は、南側が海に望みドアや窓を模した建築物やオブジェが配されるなどデザイン性の高い空間として設計され、北側には六甲山系、南側には神戸港が見えるひらけた場所になっている。2009年にも同ゼミは公演を行ったが、「あの開放的な大階段でもう一度演技を」との学生の思いを受け、大学が美術館に打診。公演が再度実現するに至った。同美術館は10月1日から開催されている神戸ビエンナーレの会場にもなっており、今回のパフォーマンスはそのテーマ「きらKira」がモチーフにされている。

神戸大大学院で講師を務める関典子さんは、先日神戸市文化奨励賞を受賞しておりこの日のパフォーマンスでも総合演出・監修を行った。関さんは「一人一人の身体は別のもの。その個性を活かしつつ、空気感や世界観を共有することに苦労した」と振り返る一方、本番については「お客さんを含めて、この場にいる皆さんと同じ瞬間を共有できたと思う。この場所の魅力と、ダンサー・スタッフの努力のたまものです」と満面の笑みで語った。今後もこの取り組みは継続していきたいとのこと。

講師の関典子さんの公式ウェブサイトは以下のURLから
http://www2.kobe-u.ac.jp/~sekinori/
会場となった兵庫県立美術館のウェブサイトは以下のURLからご覧いただけます
http://www.artm.pref.hyogo.jp/