「人生で初めてのサヨナラヒットだったんです。ファーストまで走るのがほんとに嬉しくて」。試合後、中園から満面の笑みがこぼれた。

4−3で迎えた9回。二死から1番の小林龍が中前打で出塁すると、続く山田晃が左中間へ適時打を放ち同点に。二死3塁のチャンスで打席には3番中園。スタンドの大歓声を背に、思い切り振りぬいたバットが甘く入ったチェンジアップをとらえた。鋭い打球はそのまま右中間へ運ばれ5−4。ファーストまで駆け抜けた中園は、仲間たちから少し手荒い歓迎を受けた。

春まではチャンスであと一本が出ず、試合を決め切れなかった関大。中軸を任されている中園自身も、何度も悔しい思いをしてきた。しかし、この日は違った。初回に4点を先制されるも、6回以降要所で打線が繋がり逆転勝利。チャンスで打線が機能した要因は、夏の間の練習にあった。チャンスの場面をおのおのが細かく設定し、イメージしながら実践により近いバッティング練習を心がけたという。

「力の差はないんでチャンスで打てるように。試合を決める一打を」。今季こそ、悲願の優勝を狙えるか。中園の一振りが関大を勝利へ導く。

●関西学生野球秋季リーグ第2節1回戦(9月9日・阪神甲子園球場)

  1 2 3 4 5 6 7 8 9
関学 4 0 0 0 0 0 0 0 0 4
関大 1 0 0 0 0 2 0 0 2x 5

【関学】飛嶋、永島、●ボイラン−山崎裕
【関大】寺本成、近藤、秋本、○山本−矢野

  1 2 3 4 5 6 7 8 9
立命 2 0 0 0 1 0 2 0 0 5
京大 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

【立命】○徳山−山村
【京大】●山敷、田中英−新実、久保津