今春のリーグ戦で3連覇を成し遂げた龍谷大。その立役者となったのが吉野選手、加藤選手の2人のエースだ。2人は小学校からの友人である。プレーでも私生活でも息の合った2人にお話を伺った。

−2人は小学校も地元のチームでも一緒だったとお聞きましたが、当時から仲は良かった
のですか。

吉野 ただのチームメイトという感じでした。チーム自体は仲が良かったのですが、いつ
        も2人というわけではありませんでした。距離が縮まったのは大学に入ってからで
        す。

−何かきっかけがあったのですか。

吉野 私は樹絵(加藤)みたいにスポーツ推薦で龍谷大に入ったわけではなくて。もともと
       教員免許が取りたくて大学に来たので、今年の春リーグ直前に目標が見えなくなっ
       て辞めてしまおうかと思った時がありました。それを察知した監督にメンバーから
        外されて、どん底にいたときに樹絵に喝をいれられたんです。

加藤 はい。「(バレーをするのは)強制やから」と毎日のように言いました。(笑)
        説教しているうちに自分も泣いてしまって。今の龍谷大には4年生のアタッカーが
        いなくて、私たちが引っ張っていかないと、という意識がありました。

吉野 けがをしたセンターの美歌(松崎)も抜けていたので、私が抜けている間ずっと樹絵
       が1人でやっていて。それを見たら私もしなあかん!と思いました。樹絵がいなか 
         ったら続けていないですね。

−お互いをどのように思いますか。

吉野 バレーに対する考え方も、しんどい時も楽しい時も、立場も一緒。いなきゃだめな
       存在です。

加藤 学校でも専攻しているコースが一緒なので、バイトと寝るとき以外は一緒にいます。
       地元に帰っても、お互いの家から3分のところにあるので一緒にいます(笑)。一緒 
       にいるのが当たり前という感じです。

−2人にとってバレーとは。

吉野 ないと困るものです。オフになると「バレーしたい」って思います。生活の一部で
        す。

加藤 高校生のときはバレーの練習が厳しくて、修学旅行には行けませんでした。小学生
        の時からずっとバレーをしてきて、辛いこともあったけど練習がきつくて辞めよう
         と思ったことはないです。バレーが大好きだからこそ続けてこれました。

−今後の目標を聞かせてください。

吉野 私は身長が低いので、人と違ったことをできるようになりたいです。来年は最上級
         生になるので、助けてもらうところは助けてもらって、自分はアタックもレシーブ
         もサーブも、全部できるという選手になりたい。下級生には「4年生のために」、 
         と思ってもらえるようになりたいです。
加藤 チームとしては、周りから応援されるチームになりたいです。一人ひとりが必死に
         戦って、見ている人が感動するようなチームになりたいです。個人としては、今は
         キャプテンから「リーダーシップがない」と言われているので、リーダーシップを
         とれるようになって、しんどい時に決められる選手になりたいです。

−ありがとうございました。

よしの・えりな●1991年1月21日生まれ。三重県出身。169cm、最高到達点は280cm。久居東中学校時代では、3年生のときに加藤選手とともに全国大会に出場し、3位という結果を収めた。進学した松坂商業高校では春の高校バレーへの出場はなかったものの、2年生のときに三重県で準優勝を飾った。龍谷大ではレフトのポジションを務める。

かとう・きえ●1991年2月18日生まれ。三重県出身。174cm、最高到達点は288cm。久居東中学校では3年生のときに吉野選手とともに全国3位を成し遂げた。強豪、京都橘高校時代は1年生と2年生のときにレギュラーとして春の高校バレーに出場。進学した龍谷大ではライトのポジションを務める。