4季ぶりの優勝へ。近大がベストプレーを見せた。降りしきる雨の中、先発の中後はいつもの力で押すスタイルから一変。打たせて取る技ありの投球で関学打線に安打を許さない。「バックがしっかり守ってくれたから」(中後)とグラウンド状態の悪い中、守備を信頼しての投球だった。

8回に関学の4番萩原に中前安打を打たれるまで無安打投球。さすがにベンチからは「ノーヒットノーランですよ」と声がかかったというが、本人は「意識はしていなかった」と涼しい顔。結局打たれたのはこの1本だけで、四球も9回に与えた1つのみと、9回を投げて100球ちょうどの省エネ投球で、今季5勝目をあげた。

第7節が始まるまで3位の近大は、この節に2連勝して勝ち点を取らなければ優勝の可能性はなかった。そんな背水の陣で臨んだ2試合で関学に完勝。榎本監督に代わり、指揮をとった松丸コーチは「これで(同志社、立命に)プレッシャーをかけられたと思う」。28日から行われる第8節の結果次第では優勝が決まる。やるべきことはすべてやった。あとは天命を待つのみだ。

●関西学生野球春季リーグ第7節2回戦(5月23日・皇子山球場)

  1 2 3 4 5 6 7 8 9
関学(4位) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
近大(1位) 0 0 0 1 1 0 0 0 X 2

【関学】●ボイラン、蒔野−山崎裕
【近大】◯中後−原田

 

  1 2 3 4 5 6 7 8 9
京大(6位) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
関大(5位) 0 3 3 0 0 0 0 0 X 6

【京大】●橋本、小野輝、田中英、平井−久保津
【関大】◯秋本、吉田雅、坪内−矢野