一歩も譲らない展開で2−2の同点で迎えた延長11回。試合を決めたのは途中から遊撃の守備に入った安達だった。この回先頭の原田が左翼線への二塁打で出塁すると、次の杉本の犠打で走者を進め、一死3塁。打席に入った安達は「これを決めたら勝てる」と勝ち越しのチャンスに緊張する一方で、楽な気持ちで打席に入れたという。初球でバットをねかせ、無警戒の立命守備陣をあざ笑うかのような犠打を決め、1点をもぎ取る。鮮やかに勝ち越すと7回から救援したエース中後が裏の立命の攻撃を0に抑え、接戦をものにした。

 

 連日の接戦を制した近大。その裏には榎本監督の執念があった。前日の1回戦では立命に無死1塁からパスボールを挟んで連続犠打で勝ち越しを決められていた。「やり返してやろうと思っていた」と話す秘策を11回にぶつけた。
「(11回が始まる前に)思い描いた通り」と満足そうに話した榎本監督。これで勝ち星を1勝1敗とし、勝ち点の行方は5日の3回戦へ持ち越された。

●関西学生野球春季リーグ第5節1回戦(5月3日・阪神甲子園球場)

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
近大 1 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 3
立命 0 1 0 0 1 0 0 0 0 0 0 2

【近大】森田、白井、山本隆、◯中後−原田
【立命】山田、●工藤−山村

 

  1 2 3 4 5 6 7 8 9
関学 1 0 0 0 1 0 0 2 1 5
関大 1 0 0 1 0 0 0 0 1 3

【関学】飛嶋、◯永島、ボイラン、−山崎裕
【関大】●吉川、寺本成−矢野