◎学生バンド、雨にも負けず熱唱

京都駅ビルを会場として行われた「Kyoto Student Music Award」。雨のため各バンド2曲ずつの予定を1曲ずつの演奏とする雨天プログラムでの開催となったが、グランプリに選ばれたバンドには賞金50万円とメジャーデビューへの道が拓けるとあり、注目度は抜群。会場は熱気に包まれた。

参加した全212バンドの中から一次、二次予選をくぐりぬけた10バンドが演奏し、1位から3位までと特別賞が発表された。立命館大の学生が参加する「葱-NEGY-」や武道館ライブの経験もある「笑音(ワライオン)」など様々なジャンルの学生バンドが演奏を披露。中には女子高校生で結成した「Dodico.」も登場し、会場の注目を集めた。

グランプリに選ばれたのは大阪教育大、大阪経済大の学生らが所属するバンド「The fin.」。「The fin.」は特別賞とグランプリをダブル受賞。ボーカルの内野湧斗さんは「グランプリを狙ってたんで、(特別賞で名前を呼ばれた時)がっかりしました」と苦笑しながら、「(グランプリでも名前を呼ばれ)どっきりかと思ってボーっとしてしまった。ほんとにうれしい」と話した。

グランプリ発表で初日の全プログラムを終え、実行委員らは安どの表情を浮かべた。実行委員長の石田拓也さん(立命・3年)は「雨で中止するかどうかというところまでいった」と話し、それでも来場してくれた観客に対して「ありがたかった。無理にでもやってよかった」と笑顔を見せた。

◎学生視点からの新たな着こなし

京都駅地下街ポルタでは「Kyoto Fashion Expo ‾SAI‾」(以下、SAI)が行われた。今年初開催となる同イベントでは、学生が自らデザインした衣装に身を包み、モデルとして出演。さまざまな衣装で観客を楽しませた。

SAIのテーマは「国際化」。各国の民族衣装を学生の視点でアレンジして、新たな魅力を伝えることを目的としている。SAIで使われた衣装は立命館大や京都造形芸術大など5つの大学、専門学校の学生が制作したもの。和服にスニーカー、和服にネクタイといった斬新な着こなしを披露した。

SAIの統括として実行委員らをまとめた柳瀬万智子さん(京都女子大・3年)は「参加団体を集めるのが一番難しかった」と振り返る。当初は参加する団体が少なく、7、8月の段階では開催できるかどうか分からなかったという。それでも実行委員らの努力により参加団体を集め、開催にこぎ着けた。「この祭典で仲間と一つのものが作れた。達成感があります」と柳瀬さんは顔をほころばせた。